閑話 未来の美咲
これは数年後の未来の話――
ある一人の女性が学校内を歩いていた。
「めんどくさい生徒ばっかじゃないといいけど」
そういう彼女は教室のドアを開ける。
生徒は、その女性の可愛さに思わず見とれていた。言葉もでず、ただただ見つめている。男子はぽけーっと口を開けた間抜け面をさらしていた。
「はい。はじめまして。私は広瀬 美咲といいます。好きな食べ物は……特にはないです。嫌いなものもありませんね」
彼女――広瀬 美咲は教師となっていた。
身長も伸び、すらっとした体型……。胸以外高校生とは変わっていた。髪型も伸ばし、優しい雰囲気になっている。ただ、胸だけは変わってないが。
「質問ある人?」
「はい! 彼氏いますか?」
定番の質問が飛んできたと美咲は笑う。
「いませんよ。よければなります?」
そういわれた男子生徒は「はい」と答えそうになった。
「冗談です。このご時世生徒に手を出すともう大問題なので交際は無理です」
男子生徒は小悪魔だと思ったのだった。
彼女の天然が未だにでている。かつての被害者の神林もこの天然での攻撃には堪えたのか言われた直後はしゅんとしていた。
「可愛いのに彼氏いないとか! 彼氏えり好みしてるんですか!?」
「そんなことしません! 私はちゃんと恋愛をしたいというか……その、好きな人できたことないですし」
「……先生処女?」
「悪いですか!?」
悪くない。むしろそのまま純潔でいて欲しいと生徒たちは切に願ったのだった。そして、処女ということも知れ渡って自分の失言に顔を赤くしていた。
「先生は有名人だと誰が好きですか?」
「真野ちゃんですね。真野ちゃんしかありえません」
未来でも真野ちゃんファンは変わりないらしい。
真野ちゃんという言葉が出ると顔の表情が少し緩んでいた。それになごむ生徒。ずいぶんと穏やかなクラスだった。他のクラスは男の先生で「えーっ」という声もちらほらでているらしい。
「真野ちゃんいいですよね!」
「わかりますか? それはもう……」
と、真野ちゃんについて語ろうとしたけれど今は仕事中だと気付き咳払いする。ちゃんと場所は弁えているらしい。
咳払いをして、質問タイムを終わる。そして、教室から出た。ふぅっとため息をついて体育教師専用の職員室に向かった。私が教えるのは体育。運動神経はそれなりというかボール投げること以外はできる。ボール投げるのが難点だけれど……。ただ、成長した。ノーコンというわけでもなくなり、普通に投げることはできるように。
美咲は成長したのだ。胸以外は。
やべえついに本編(閑話という形だけど)でいじってしまった。殺される……!
あと、明日もしかしたら更新できないかも?




