美咲の将来
真野ちゃんの受験で思い出したけど、私も今年受験生なんだよな……。
未だになりたい職業もない私。なにになればいいんだろう。あれか? いっそ芸人でも目指すか? いや、収入不安定だし一発ブレイクしてそこからまた仕事亡くなるっていうこともざらにありそうだしやめとこ。無難なところがいいよね。
「美咲~! 大変だ!」
と、自宅で勉強を少ししていると珠洲が勢いよく部屋に入ってくる。
「ゲーム禁止になるかもしれない!」
「なんで?」
「今年受験生だから!」
あー……。
ゴールデンウィークも明けた今、遅い人もそろそろ将来を考えないといけない時期だ。いいところは倍率が高くなるし取られる可能性もあるしね。
珠洲はゲーム会社に勤めたいとかいっていたけれど珠洲の頭で大丈夫かもわからない。
「珠洲はどこいくんだっけ」
「プログラミングを学べるところ! ゲームのイラストは無理!」
「あー、イラストかー」
私も絵心ないしイラスト関係はやめておこう。人間描いたら魔物になるって言われてるし。
「でも受験があるから受かったらやっていいよってお母さん言うんだよ! ひどくない!? ゲームで学んでるのにゲーム禁止とか勉強するなってことだよね!?」
まぁ、ゲームプレイして学ぶことはゲームストーリーとかだと思うし、プログラミングは見てわかるわけないと思うけど。
でも、そうなると珠洲とA2Oができなくなるということもあって少し嫌だな。
「まぁ、珠洲が勉強してないのは事実だしそういわれるのも仕方ないと思うよ」
「うぐ……」
「でも、勉強勉強って言い続けるのもダメだと思うし、もう点数とって納得させるしかないんじゃないかな」
「だよねぇ……。というわけで、勉強教えて?」
「はいはい……」
私はちゃぶ台を用意し、教科書を乗せる。
珠洲はその教科書を見るとうなだれていた。将来のためでしょう。
……勉強見るといってなんだけれど私は珠洲みたく将来なりたいものがない。お金を稼いで生活していけばいいってものだし。
それに、何になるかというビジョンが視えない。私は何の職業に向いてるのかもわからない。だからこそ困っている。
「美咲は何になるか決まった?」
「んにゃ」
珠洲は問題集を解きながら質問してきた。
特にやりたいこともない私。適当な職業探したいけど……。でも、ブラックだったら嫌だとかそんなことを思ってしまう。
「んー、決まってないなら私お勧めの職業あるよ」
「なに?」
「教師」
「教師?」
私なんかのどこをみて教師と言ったんだろう。
「ほら、今の子供っていじめるじゃん。美咲なら元被害者ってこともあって被害者側に立てるんじゃないかって」
「買い被りすぎ。私だって保身に走っていじめっ子の味方するかもしれないじゃん」
「そんなことするわけないじゃん美咲が」
……まぁ、実際するかといえばしないかもしれない。
私だっていじめられていたんだし、いじめられる側の辛さのほうがわかる。だからこそいじめられる側の味方になると思う。
「だからさ、教師やりなよ。向いてるよ」
「……教師ねぇ」
まず教員免許をとらなくちゃいけないな。
高3だということもあり美咲も将来を悩まなくちゃいけないのです。
夢を持つのも大事ですが現実を知ってくると諦めてしまうのが世の常ですね。ここで「あきらめちゃだめだ」と前向きに生きるか「夢見る時代は終わった」と諦めるかで未来は変わると思いますね。




