エルルゥ、ルルーク掃討作戦
僕は噂の第九層に来ていた。
エルルゥが隣でおーっと感心の声を漏らしている。ここはどこだろう。飛ばされる場所はランダムと聞いたからエルルゥと一緒に手を繋いで飛び込んだはいいものの、どこだろう。
とりあえず鷹の眼スキルを使って辺りを見回してみる。
「なにかあるか?」
「うん。あるにはあったけど……」
見えたのはある光景だった。
無残な姿になっている建物。人が数日前までいたような形跡もある。何者かに襲われたのだろうか。刃物で切られたような傷も建物についている。
僕はエルルゥと一緒にその村に向かってみることにした。
そして、難なくその村につく。
気配探知スキルを使用した。狩人は奇襲を主にする。威力はそこまでじゃないけれど不意打ちに特化している分僕にはむいてる。
恐る恐る村を覗き込むと、広場のほうで誰か捕らえられている。耳長い少年少女、大人の人たちが人間の男に捕らえられている様子が見える。
なるほど。
「エルルゥ。助けよう」
「いうと思ったよ。わかった。囮は任せて」
ルルークは目立たない場所、尚且つ広場が見えるところに向かう。そして、男の一人を狙い、弓の弦を引く。狙いを定めて発射した。
その矢は男の足に突き刺さった。痛さで悶える男。攻撃に気づいたのか警戒度が増した。
男は立ち上がろうとする。が、それは無理。痺れ薬を塗っているから動けないはずだよ。
「エルルゥ! 畳みかけよう!」
「任せろ!」
エルルゥは前に出ていく。そのまま突き進み、男たちを切っていく。
すごい。僕も成長していたと思ったけどエルルゥも強くなってる。ここ数日は高難易度モンスターを二人で倒してたりしたもんね。
ベヒーモスに出会ったときは無理ゲーだったけど。でもカイザーコングとかは倒せたし、相当強いはず!
「う、動くなっ! 動いたら人質の命は……!」
と、男の一人が剣を長耳少女の首に突きつけていた。それを構わず狙撃すると男は地面に倒れこむ。狙いを間違えたらやばいことになるけれど……よかった。
だけど、この集団は一体誰なんだろう。
とりあえず掃討は完了したかな。
「大丈夫かい? お嬢さん方」
エルルゥは剣で縄を切っていく。
長耳少女たちは解放されて喜んでいるのかその場に立ち上がって頭を下げる。この倒れている人たちは息があるので、とりあえず兵士の元に連れていくことにする。
「あ、ありがとうございます! 助けていただき……」
「いいよいいよ。気にしないで」
「この恩は忘れませぬ。もし、我がエルフの力がほしいときはワシに言ってくだされ」
「いや、いいですって。それじゃ……」
と、言って立ち去ろうとすると、後ろで誰かの声が聞こえた。
「あれ、エルルゥにルルーク?」
「ミキ?」
ミキがその場に立っていた。
久しぶりの登場な気がする二人。
最近ミキばっかりだったし……




