捕らえられていた天使 ①
でかい扉を開くことになった。
ゴゴゴゴゴと大きな音を立てて扉を開く。中に入ると、異様な光景が目の前に広がる。機械……ではない。が、なにかが捕らえられている。
ウリエル……? ミカエル……?
それはウリエル、ミカエルに似た天使だった。
「天使……?」
「なんだよここは!」
スルトが天使に近寄った。そして、助け出そうと手を伸ばしたが、はじかれる。ここはミカエルとウリエルを呼ぼう。
二人を呼んだ。
「ミキ様? どうかなさったので……」
「どうかしたの……か?」
二人は捕らえられている自分を目にした。
「……私だよこれ」
「こっちは私……だな」
どういうことだろうか。
ウリエル、ミカエルが進化できない理由がこれだったりするのだろうか……。というか、なぜ捕らえられているんだ? なぜウリエルとミカエルは二人いるんだ?
そういうような疑問が生まれてくる。
「どういうことですか!? この天使、私です。私の分体……のような感じがします」
「あ、ああ。私のもう一つの体みてえな……そんな魔力を感じる」
二人は助け出そうと手を伸ばす。が、その瞬間、光の腕がウリエルとミカエルを掴んだ。その腕は引きずり込もうとしている。ミカエルは踏ん張っているがウリエルは力がなく、引きずられていた。
スルトがその腕を掴もうとするがつかめない。ウリエルを引っ張っていた。
「なにがなんだかわからねえがなんなんだよ! なぜ天使が捕らえられている!」
「わからない! けど、まずいねこれ」
多分バレた。看守たちに。
外で足音が聞こえてくる。それも駆け足だった。
「ルシファー、ガブリエル、ラファエル!」
残りの天使も呼ぶことにした。
三人が呼び出され、私に傅くとウリエルたちのほうを向いた。そして、三人が絶句している。
「なぜウリエルさんたちが二人も……? それに、捕らえられているのはなぜなのですか!?」
「これは……どういうことだ」
「わお……。ドッペルゲンガー……」
すると、入り口のほうから音がした。
「お前らがなぜここにいる。ミキ、スルト」
「……お前らこれはなんだ。なにをしている」
「知らない。だが、ばれてしまっては仕方ないな。殺すしかない」
と、一人の看守が切りかかってくる。ルシファーはそれをいなし、沈めた。
一人一人の力はそれほどないらしい。そして、ルシファーは怒っている。ものすごく不機嫌な顔をして看守たちの相手をしていた。
「……ミカエルさん!」
「うぐぐ……力つええ! 引っ張られる……!」
「ウリエル!」
「引っ張られる力がつえー! おい、手伝え! 力が持たねえ!」
本当に、なんなんだよ。
そう思っていると、突然ウリエルとミカエルの分体?が地面に落ちた。光も消えて引っ張られることが無くなっていた。
「まったく。様子を見に来たら何だこのありさまは」
「ベノム。この国は相当やばいことに手を染めていたらしいです」
アルテナ様とベノムがそこに立っていた。