男になった
ちょっとやりすぎたか……?
朝目が覚めると男の子になっていた。
君の名は……じゃなくて私の部屋だったし、妹も妹の顔していたし私が男の子になったと仮定した方が速いと思ったわけで……。
ナニコレ?
「私男になったらこんななよなよしてるのかー……」
中性的な顔立ちで背も普通の男の子より小さい気がする。これスカートとかはいたら女子だと思われそうな見た目しているな……。
違うのは股間に異物が生えているだけ。どうしてこうなった。
っと、まずい! 今日は珠洲と遊ぶ約束しているんだった!
その時、チャイムが鳴る。
『美咲ー! あっそーぼー!』
と、声が聞こえる。
私はパジャマ姿のまま玄関を開ける。すると珠洲が立っていた。後ろには真野ちゃんを連れて。珠洲と真野ちゃんは私を見て驚いている。
「あっ、親戚の方でしたか。すいません。美咲いますか」
「……私」
「えっ」
「私が美咲だよおおおお!」
チリン達に話してみた。
「まじか」
まじです。
信じてくれたようだけどいまいち受け止められないのか二人とも固まっていた。私もまだ受け入れられてはいないけれど……男になってしまった以上仕方ないというか……。
もう、適応するしかない。
「……でも男の子になっても可愛い」
「……そうだね」
と、顔を赤く染めている珠洲と真野ちゃん。どうしたんだろうか。
その時だった。
「もう無理! 美咲! ごめんね!」
と、珠洲がいきなり私の……って自主規制!
どこ触ってるの! エッチ! なに!? 逆レイプでもされるんですか!? やめてー! 私、身なりは男だけど心はまだ女の子なのーーーーー!!
すると、傍らで真野ちゃんは服を……。あーーーーっ! ダメっ! これ以上は! これ以上はいけませんぞ!
……目が覚めた。
夢だったようだ。随分と煽情的な夢だった。私は一階に降り、自分の姿を確認する。うん。ちゃんと私だ。男の子にはなっていないようだった。
……あんな夢見るなんて欲求不満なんだろうか。それとも私のどこかでは珠洲のことが好き…とか? いや、ないな。恋心的な感情は珠洲にもってないし。
……。
「もっかい寝たらその夢見られるかな」
私はベッドに戻り目を閉じる。
……さっきの珠洲たちの夢を見て少し興奮しているのかなかなか寝付けない。どうしたらいいんでしょう。目を閉じると夢の中の光景が瞼の裏に……。
「私はノーマル! 女の子!」
ダメだ! なんで私が男の子に! 男の子になって襲われなくちゃいけないんだ! 明日から少しチリンの顔見れないかもしれない。
そして、気が付くと朝を迎えていた。
「……どしたの?」
「いや、なにも……」
ゲーム内でチリンの顔をしばらく見ることができなかった。