わ、私彼氏いるし!
なんで誰も美咲×神林を推す人がいないんだろう
ティアモは私と腕を組んでいる。
なんでこうなった……。ティアモは嬉しそうに微笑んでいる。なんでこの子こんなに嬉しそうなんですかね……。マシュマロは慕っている感じでラブというよりライクの感じがすごかったけどこの子まるっきりラブじゃん……。
「先輩ってぇ、経験ありますかぁ?」
「「「ぶふっ」」」
私とチリンとソゥ様が吹き出した。
いきなり何言いだすんだこの子は! 経験って……あれか!? 性的関係か!?
「ないよ! 処女だよ私!」
「い、今のは男女交際の経験ですよぅ」
そっちかい!
いや、まぁそっちもないんだけど……。やめて。男女交際の話ならそういって。私たちの不純な面が出ちゃったじゃん。
「でも、付き合ったことないんなら私が初めてですね! 先輩の初めて私がもらいます!」
それ交際の初めてってことだろうけど男女じゃないし、まず私オーケーしてないし。
あのさぁ、まじでこの子ややこしい言い方しかしない……。初めては……その、きちんとした男の子に捧げるつもりだから。女子じゃちょっと……。
「いや、私ノーマルだから……」
「何この子……。ちょっと怖い」
「まだ他人事だから怖いってだけだろうけどミキの立場だったらもう恐怖以上だよな……」
この子怖い! ほんと助けて! 話聞かないんですけど!?
「あ、ごめん! 私彼氏いるから!」
「……は?」
そういうとティアモの目が鋭くなった。
獲物を狩るような目になっている。怖い。その、マジで怖いんですけど。
「誰ですか。教えてください。殺しに行きます」
「……」
ヤンデレ!? 怖いんですけど!?
誰ですかと近づいてくる。わ、私男友達とかほとんどいないのに……! 誰だ、だれがいい? あ、ごめん! 利用させてもらうよちょっと!
あとで何か奢るから許してね!
「か、神林君……」
「ああ、あの神林 武人先輩ですか」
そうなんだ。フルネーム初めて知った。
じゃなくて。ごめん神林くん! 君のところにヤンデレメリーさんが行くから……。
「すごい、売った」
「まぁ逃げるためなら仕方ないよね」
だって売るしか方法なくないですか!?
でもどうしよう。神林くんと勝手に付き合ってるだなんて超迷惑にもほどがある。そ、その、学校で謝りに行こう。
ティアモがログアウトしていた。
……強く生きて、神林くん。
いや、多分私のせいだし、そもそも花園さん神林君の家知ってるのか?
あ、あの子マジ怖いし家の特定とか余裕なんだろうな……。うん、本当にごめん、神林君。君の骨は拾うよ。たぶん。
神林くん本人が知ったら滅茶苦茶喜びそうではあるけれど……