ティアモ
私がソゥ様とクエスト行った時のことだった。
「見つけました美咲先輩!」
と、数時間前に聞いたような声が聞こえる。
振り返ると奴がいた。そう、花園 愛……。なんでいるんですか!?
「なんでいるのかという顔をしてますね? もちろん私もこのゲームのプレイヤーだからですよ」
「いやいやいや。なんでこの世界に?」
「もともと私この世界に来てましたし。それに、美咲先輩はきっとこの世界に来ているだろうという確信を!」
怖い! この子めっちゃ怖い!
私の周りの女性ろくなのいないような気がする。妹はシスコンだしマシュマロも私を姐さんと慕ってくるし……。今度は百合まできたんですか……?
「そうしたら会えました! ふふふ、美咲先輩! 愛してます!」
と、大声で叫ばれる。
ソゥ様は魔物を狩る手を止め、チリンは動けずにいた。
「ご、ごめんなさい」
「そんなっ!? 私の何がいけないのですか!? 美咲先輩に好きになってもらえるよう真面目に生活してるのに!」
「だから私はノーマル……」
断ってるのに引きやしない……。
あの、これ私がオーケーだすまで駄々をこねるんですか? 諦めないのかなこの子……。
「いいです。絶対に振り向かせますから」
と私の腕に抱きついてくる。
嬉しそうに笑った。いや、見た目は本当に可愛いんだけど……。私は恋愛はきちんと男の人とやりたいっていうか、その、さ。女性を恋愛的な目で見れないというか。
「……えっと、花園さん」
「……えっと、誰ですか?」
「三年の葉隠 珠洲……。ここじゃチリン」
「チリン先輩。私はティアモといいます」
「ティアモ?」
「イタリア語でティ・アーモが語源かな……」
ソゥ様博識!
たしか意味は……。
「愛してる……って意味だよね」
「わかってるじゃないですか! って、真野ちゃん!?」
花園さん……ティアモはとても驚いていた。
流石に有名人だからね。そりゃわかるよ。
「サインください」
「いや、ここでサインは無理かな。ペンないし残らないよ?」
「ここが現実であったのなら……!」
ファン、なのかな?
だとしたら悪いような人じゃない気がしてきた。真野ちゃんファンに悪い人はいないっていうしね。寧ろ仲間? 真野ちゃんファン仲間か……。
「真野ちゃん好きな同士仲良くしようね」
「はい!」
「私ダシに使われてるよねこれ」
「ミキが陥落した!? 正気になれ!」
……はっ。
恐ろしい子だ。私の弱みに付け込むとはなかなかやるな。堕ちてしまうところだった。この子末恐ろしい。こうして百合の道へ引きずり込むつもりだったんだな。
「先輩本当に可愛い……! あの、付き合ってください」
「えっ」
「真野ちゃんが好きな同士。趣味はあうじゃないですか」
「……たしかに」
「確かにじゃない! ミキちゃん御乱心!」
ティアモにNTRされたソゥ様とチリン。