あそびたい年頃のアルテナ様
アルテナ様と私は退室し、孤児院のほうに向かう。
外では元気よくはしゃぎまわっている男の子たちがいた。何かを投げて遊んでいる。ボールだろうか。キャッチボール。うん、よくある青春だねっ! この前野球部が彼女らしき人とキャッチボールしてたなぁ。
それをみた新橋くんが俺らもやろうぜと誘ってきたが丁重に断っておいた。……名前新橋であってる? 最後が”し”ということだけは覚えてるんだけど……。
「……やりたいんですか?」
「そんなわけではありません」
ならなんでボールを右手に持っているんですか。やりたいんですよね? めっちゃくちゃやりたいから今ボール創ったんですよね?
アルテナ様はやりたそうに私をちらちら見ている。
「……わー、キャッチボールやりたいなー」
「仕方ないですね。やりましょうか」
いやいやいや! 仕方ないはこっちのセリフ!
アルテナ様が私と距離を取る。そして、思いっきり振りかぶっていた。嫌な予感がする。というか、本気で投げるつもりだあの神様!
すると、一瞬で私の手に向かってくる。このままそらすとぶつかって建物壊れるなぁ!
せ、精霊魔法ッ! 精霊魔法! 精霊魔法!!
精霊魔法を何回もかけてようやく勢いが落ちた。風の精霊魔法こんな時に使うのかぁ……。
正直手が痛い。なんでそんな本気で投げるんすか。あなたが本気出したらやばいんですからまじやめて。
「ふぅ。ミキ様じゃないと私の本気受け止められませんからね。久々に本気で投げました」
「……もうやだこの神」
満足したのか少し笑っていた。
なんでこんなにも疲れなくちゃいけないんだ……。周りの子供たちも私を見ている。そして、すげーと拍手喝さいだった。
いや、もっと褒めて。この孤児院壊させなかった私をほめて……。
「さ、みんな。何して遊びたいですか?」
「鬼ごっこ!」
「かくれんぼだろ」
「お、おまま……ごと」
子供たちが遊びたい奴ばかり並べていく。
鬼ごっこか。ちょっと苦手だなぁ。いや、逃げること自体はいいんだけど……。昔、公園で鬼ごっこしようと集められたはいいけど私を誰も捕まえることはなくて自ら捕まりに行こうとすると逃げられて……帰る時間になったけれどお前は捕まってないから帰れないだなんて……。今思い出しても泣けてきた。あの頃はもう帰れないんだと思ってずっと公園で待ってたらお母さんが来て怒られたなぁ。
……まぁ、かくれんぼではそういうことはなかった。
学習したのでかくれんぼといって鬼が数え始めたら家に隠れた。もちろん探しにくるはずもないので家でゴロゴロしてたら翌日お前影が薄くて探せなかったといわれた。やはり探すつもりはなかったとわかった。
「おままごとやりましょうか。おままごと用の世界を……」
「創らない! おままごとそこまで壮大にしない!」
もうおままごとではなくなりそうだ。
あれだよね? おままごとで死刑よとか言ったら本当に死ぬやつでしょ?
「鬼ごっこにします? 今なら鬼を……」
「ダメ! 死ぬ!」
遊びに生死をかけるな! 子供たちに命をかけさせようとしない! なんでこの神様こんな天然なの? 今のすべて冗談なの?
「ウリエルたちではこの程度では死にませんが……」
「一緒にしない。人間と天使を……」
能力が違いすぎますから。
新橋という名前が出てきましたが神林です。ミキちゃんが間違えてます。
というか神林って誰? って思ってる人いますよね。登場してませんからね長く。ミキちゃんのことが好きな男の子です。影薄いです。
あ、軽く次回予告しますが、ミキちゃん現実で告白されます。




