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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第九層エリア 【さらなる世界へと】
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夜の探検 ③

今回はミカエルたちのほうを書きました。次回はミキです。

 ミカエルとウリエルは子供たちを庇いながら戦闘をしていた。

 廊下に湧き出たアンデッドどもに剣を食らわせながら。ウリエルは必死に介抱している。ウリエルは戦う力がなく、守る力に特化していた。

 

 子供たちは泣きながらウリエルたちについていっていた。


 「くそっ、数が多いな!」


 ミカエルが剣で斬りながら進んでいく。

 不死族アンデッドには物理ダメージが半減されるということもあり、苦戦を強いられていた。ミカエルは魔法は使えず、物理に特化しているためだ。

 

 「亡者どもめ! 潔く成仏しろ!」


 ミカエルは、剣を構えた。

 そして、薙ぎ払いながら進んでいく。ウリエルも子供たちを引っ張ってミカエルの後についていった。屋敷の構造はわからないのでとりあえず進んでいる、という感じで、いつ出れるかわからない。子供たちもパニックに陥っており聞くにも聞けない状況だった。


 「くそ、出口はどこだ!」

 「階段がありました! ミカエル、降りるよ!」

 「いや、うじうじ考えるな!」


 と、ミカエルは辺りを見回して、ある場所を見つけた。

 ミカエルはその場所めがけてつっこんでいく。バリン、とガラスが割れた音が夜空に響く。ミカエルは窓を突き破っていた。


 ミカエルは落下していくが、飛べるので問題はなかった。


 「こっちのほうが早いぜ」

 「……失念していた。ミカエル! 子供たちを二人くらい抱えて持って…きゃっ」


 と、ウリエルが叫んだ。

 ミカエルはウリエルが心配になり屋敷に戻ると、アンデッドの一人がウリエルの肩を掴んでいる。ウリエルは子供たちを突き放していた。子供たちは隅に固まっている。


 「ウリエル!」

 「離せっ……!」


 ジタバタもがくウリエル。だが、離す気配はない。

 ミカエルはナイフを投げた。アンデッドの頭部に命中し、力が少し弱まった。その隙をついて脱出する。


 「大丈夫か?!」

 「な、なんとか……」

 「噛まれてないか?」

 「捕まった直後だから大丈夫……ありがとう」


 ウリエルは首を押さえる。


 「ウリエル! 私が食い止めているからウリエルは子供たちを連れて逃げろ!」

 「わかった! ほら、いくよ」


 ウリエルは子供を抱えて飛んでいった。

 残されたミカエル。剣を構えるが、数が多かった。ミカエルはがむしゃらに剣を振るう。アンデッドたちは倒されていくが、ミカエルの消耗も激しいものだった。


 「はぁっ……はぁっ……」


 息を切らす。だが、アンデッドの数が減る気配はない。

 一人で相手するには体力が足りなかった。隙も次第に大きくなっていき、危ない場面もあった。ミカエルは深呼吸をして、また、立ち向かおうとしたとき、どこかから声が聞こえる。


 「加勢しよう」


 と、その瞬間、アンデッドが蹴散らされた。

 ミカエルは突然現れた女性を眺める。真っ黒なドレスをまとった彼女。ミカエルは直感で人間ではないと悟った。と、同時に強いとも感じ、ミカエルは少し興奮している。


 「助かった」

 「なに、ここを居城とするからな。邪魔ものがいたら困るのだ」

 「そうか! はぁ……」

 「しかしアンデッドが湧き出るな。やむ気配がない。ボスがどこかにいるのだろう」


 ボスは今、ミキたちが相手をしている。

 そのことを伝えるとその女性は感心したように笑う。


 「ならば、我々は雑魚を相手どるとしよう。お前、名前は?」

 「ミカエルだ」

 「ほう。天使か。私はヴァンビー。吸血鬼ヴァンパイアだ」

 「……」

 「天使の敵として評される私だが、敵対するつもりはないな?」

 「ああ。天使の敵とは私は認識していない」


 ミカエルは剣を構える。


 「……その剣で相手していたのか」

 「そうだぜ!」

 「……聖属性もなくただ斬るだけの剣でアンデッドを……。実力は私よりありそうだ」

 「仮にも兵士長だからなぁ! 燃えてきた! 滾るぜえええええ!」


 ミカエルはアンデッドの群れに突撃していった。











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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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