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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第二層エリア 【機巧士たちの集う場所】
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黒く変色した精霊樹

 イベント一日目が終わろうとしている。


「いやー、村のみんなも助かっとるべー! ほら、たんと食え! おらの畑で育った作物だ」


 夕飯をお世話になっていた。

 NPC……名前はタゴサクっていうらしい。いや、それっぽい名前だよほんとにさ。タゴサクさんは野菜農家らしい。この沢庵も自分でつけたものだとか。


 他にもぬか漬けがあったりしている。タゴサクさんは目の前でぬか床をかき回していた。


 リアルかよ……。


「それにしてもあんた精霊王だったんだなー。驚いたっぺよー。んなら他の魔法も使えるんか? すげえなあ」

「あ、ありがとうございます」


 この人は見た目はものすごくいい。イケメンというくらいにそれはもう整っている。けど訛っているギャップがすごくて残念って感じだ。

 いや、これはこれでありかも?


「ごちそうさまでした。部屋に戻ってますね」

「おう! ゆっくりしていきや!」






 二日目の朝を迎える。

 すると、なんだか目の前に小さな小人がいた。


「起きたー!」

「起きちゃったー!」


 二人の小さい子供が私の隣で寝ていた。

 ……なにこれ。誰?


「せーれーおーさま! おはよーごじゃいます」

「ほのー、おはよーございますだよ!」

「おひゃよーごじゃいます」


 いや、なんで小さい子が?

 鑑定してみると……精霊だった。炎の精霊と土の精霊。

 赤っぽい髪をしたのが炎の精霊で、茶髪が土の精霊。まあ、イメージカラーだね。で、精霊たちが何の用だろうか?


「たすけてせーれーおーさま! 精霊樹がかれそうなの!!」

「……はい?」


 私は急いで起き上がり、精霊樹のところまで行く。

 たくさんのプレイヤーがいた。プレイヤーの周りに精霊がたくさんいる。


 そして問題の精霊樹は、昨日とは打って変わっていた。葉っぱはすべて大地に落ち、鮮やかな黄緑色をしていた幹も黒く変色している。まるで何かに侵食されたような……。

 というか、すでに枯れてるんじゃね?


「なにこれ!?」


 私は人混みをかき分けて精霊樹に近づく。

 MP回復効果はなくなっており、私が触った瞬間にビリっと電流が走ったかのような刺激があった。


「一体何が……!」


 私じゃこれは触れない。他の人はどうなんだろう?


「ねえ、君。ちょっと触ってみてくれる?」

「いいですけど……」


 と、男性プレイヤーはぺたぺたと木の幹を触っていた。


「痛くないの?」

「全然……」


 じゃあ、精霊だけが触れない、ということなのだろうか。精霊だけを拒絶していると仮定。つまり私が触れることも介入もできないのか?

 くっそう! これじゃ私なにもできないやんけ!!


「もっかい……」


 バチィ!!


「いっだい!?」


 やっぱり私は触れない!


「いてて……」


 ちょっとひりひりする。もしかして精霊樹がピカ〇ュウで、どこかでサ〇シが「10万ボルト!!」とか命令していたりしない?

 いや、これどうみても草タイプに分類されるよな……。草タイプで電気タイプっていないだろ……。


「もうここは他の人に任せよう……。私じゃ無理だ」


 その時だった。


「あの木に邪精霊がとりついちゃったのーーーー!」

「みんな追い払ってーーーー!」


 と、周りにいる精霊がわめきだした。










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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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