原因は誰だ?
相手が貴族としっても態度は変わらない。
私たちが想像している貴族って権力とか財力を存分に駆使して好き勝手やってるようなイメージがあるし、言った通り腹の探り合いとかもありそうだし……。
マナーも厳しくて私たちには到底無理だろうというイメージしかないな……。
「こほん。改めましてマツリ・カリオスと申します。カリオス伯爵家の娘です」
「……ミキです」
「私チリン」
カリオス伯爵……。カリオストロ伯爵がモチーフなのだろうか。
マツリは床に座った。というか、貴族ってやっぱこんなドレス着るんだなぁ。私も精霊王のドレスのまんまだから人のこと言えないけど。
ただ精霊王のドレスってミニスカだから動きやすい。パンツ見えそうだとか言うがちゃんと黒くなってる。ブラックホールみたいにね。パンチラすることはない。
「それであなたがたは王都に何の用があるのですか? 迷惑でなければお教えください」
「冒険者ギルドにいこうかなって」
「冒険者ギルド! いいですね! あなた方の実力ならばきっとなれますよ!」
まぁ、スキルとかいろいろあるからね。
この世界だと魔法は限られた人しか使えないみたいだし……。っていうか、そういうのってだいたい貴族が使えて平民が使えないっていう設定が多いがどうなんだろ……。
「ですがミキさんは武器をお持ちじゃないように見えるのですが……」
「まぁ、魔法を使うからね」
「魔法使えるのですか!?」
そこまで驚くかね?
「魔法って貴族は使えないんですか?」
「使える人もいますが……。魔力をもって生まれる人はごくわずかですし貴族でも使える人は少ないですよ?」
なるほど。
そもそも魔力を持つ人が少ないのか。
「魔法が使えるのなら冒険者などではなく宮廷魔導士にもなれると思いますが……。ああ、そういえば回復魔法使っていましたし使えるのはわかってましたね」
「宮廷魔導士?」
「魔法使いだけで結成されている軍です。我が伯爵領は他国へのけん制のために保有しておりますが保有してない領地が多いです。けれど魔法使いだということでものすごく優遇されますよ」
魔法使いが一番上なのかもしれないな。
士農工商でいう士に当たる部分なのかもしれない。魔法使いって貴重なんだということがわかるなぁ。まあ私は魔法というより精霊魔法なんだけど……。
「なにそれすごい。私魔法使いに転職しようかな」
「……チリンに似合わない」
「わかってるよぅ。パワーでゴリ押すほうが好きだし!」
チリンは対戦ゲームだとパワータイプを好んで使うからな……。
私はテクニック。技の豊富さで攻めるタイプ。
「チリンさんは見たところ戦闘経験が多そうですね」
「……まああるか」
エリアボスであったり、最終的には神様と、ものすごい戦闘経験をしている。
「……あれ?」
と、突然グレンがそう声を上げる。
「どうかしましたか?」
「……おかしいのです」
なにがおかしいんだろう?
「この辺りは魔物が多く、馬車をよく止められるのですが……止まらずにすんなりいけている……。近くに強い敵がいるかもしれませんね」
「……?」
なんかそれ心当たりあるような……。
というか、魔物が出ない原因って……。
「ちょっと馬車とめてもらえますか?」
と、止めてもらって私はちょっと馬車から離れる。
すると、茂みからモンスターが飛び出し馬車を襲っていた。
あ、うん。原因私ですね。