調べましょう
「ミキ! 嘘ばっか教えないでよ!」
この世界にきてチリンの一言がそれだった。
教えようかと思ったけどなんか面白かったから結構でたらめな嘘をついた。
「上行って下行って上行って下行って左、右、左、右、B、Aってコナミコマンドじゃん!」
「まじでやったんだ」
「ビー、エー前まではやったよ! おかしいなって思いながらね!」
なんかやる光景がシュールに思える。
チリンはものすごく怒っていた。まじでごめんね?
「悪かったよ。からかいたくなったんだよ」
「むうう!」
「現実のほうで何か奢ってあげるから」
「ほんと!?」
ちょろいな。
「ガリ〇リ君奢ってあげる」
「やっすいやつやん……。ハーゲン〇ッツで許してあげよう」
「しょうがないなぁ」
ハーゲン○ッツってめちゃくちゃ高いけどな。
ガリガ〇君は安いうえに結構食べ応えあるから何気にいいと思うんだけどな。私滅茶苦茶好きなのに。ソーダ味だけしか食べたことないけど。
「……で、ここが第九層だっていうの?」
「うん。クレフ村、シュプレーヒ王国でカイナッツォ伯爵……あれ、なんか違う気がするけどなんとか伯爵領だって」
「のどかな村のようだけど本当に第九層?」
見たところのどかで特になんも変わったことはない。
とりあえず拠点を探したいが……。宿屋はあるのだろうか。そこがあればそこを拠点にまずしたいんだけど。セーフティーエリアがどこかわからないしな。
今までとは違ったテイストだ。
理想郷はないだろうしな。多分。今まで何かしらの王が関係していたけれどここは特に王も関係なさそうだしな。
第九層エリアで再び異世界ですか。
「とりあえず探索しなくちゃね。二手に分かれよ」
「そうだね」
私とチリンは二手に分かれ情報収集を再開することにした。
クレフ村は本当にのどかであり、畑を耕している人とかも見受けられる。とりあえず調べるんだけど……。
とりあえず他の村にもいきたいしいけるか聞いてみるか。
「すいませーん」
NPCの一人を大きな声で呼ぶ。
鍬を振っていたおじいさんがやめて近づいてきてくれた。
「どうしたんじゃ?」
「隣の村ってこっから近いですかね」
「そうじゃなぁ。歩きで三十分くらいしたところに隣の村があるのぅ」
「そうなんですね。じゃあ王都はどんぐらいかかりますか?」
「馬車で一週間の距離じゃな」
「ありがとうございます」
馬車で一週間か。遠いな。
まず隣の村にいって隣の村でも情報収集をしたほうがいいかもしれない。行ける、ということは第九層はここの村だけじゃないしな。
ただ、そうなると不安が一つある。
「この階層って、この世界全体がその階層なんじゃね?」