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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第八層エリア 【優美なる妖精】
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災厄 ⑤

 ベノムの体力を削っていく。

 カーリ、オルテナが加わっても苦戦の一方だ。


 「ミキ! 回復よろしく」

 「オーケイ! 回復ヒール


 私は回復に専念していた。

 攻めることができるのなら攻めたいけれど無理だ。プギーとかがいればよかったんだけどね。プギー自体回復役だからオズとプギーで回復に回ってもらえればなんとかできたけど……!

 いないのだから仕方ない。蘇生もできるから私のほうがいいだろうけど。


 「”勇者の一撃”」


 ロトが大きく剣を横に振る。

 すると、大きくのけぞったベノム。ノックバック効果があるらしい。ナイス!


 「お腹を狙うんだ!」

 「たやすい」

 「はああああ! 暴食の獄アリジゴク


 ベルゼブブの手が口に代わり、腹部へと攻撃が向かっていった。


 「お前を食べてやろう。俺様は今ものすごくお腹が空いているんだ」


 ベルゼブブの攻撃が決まる。苦しそうに暴れ、遠心力のせいかくっついていたお腹からはがれて、地面に落下していった。

 ベルゼブブはすぐさま避難している。


 「っと、こいつぁてめえのプレゼントだ! 受け取りやがれ!」


 と、ゴエモンが何かを投げた。


 「名付けて、千両大花火といったところかねえ!」


 その飛んでいった球体は足下で思いきり爆発を起こす。

 威力がすごい……。何発もあるようなもんじゃなさそうだ。たしか私もこのスキルあったような…。あ、もらってる。このスキルはもらってるわ。


 「たーまやー!」

 「ランスロット。いくぞ!」

 「はい。アーサー王」


 二人の騎士がベノムに素早く近づいていく。

 アーサー王が左前足、ランスロットが左後ろ足。思い切り切り上げて転ばせようとしているらしい。できるのか?

 祈るしかない、かな。


 「はああ! 聖杯よ、力を貸してくれ! エクスカリバー!」

 「湖の乙女。アロンダイトに聖なる力を与えたまえ」


 剣が光る。

 そして、二人同時に切り上げた。すると、足が持ち上がり、横転したのだった。できるじゃん! すごいアーサーとランスロット! ナイスだよ!


 「今だよ!」

 『動けんっ……!』


 二人の剣が持ち上げて倒したんだ。これはすごいとしか言いようがない。


 『小癪な……! だが、面白い! 血肉が沸きあがる戦いをしたのは数千年ぶりだ!』

 「ああ、妾とアルテナが手を組んで其方を封印したときか」


 カーリ様も関わっているらしい。


 「ま、もう封印なんて甘いことはせぬ。そなたは危険因子。邪神の名のもとに殺してやりゅ……殺してやるのじゃ!」

 「大事なとこで噛まないでくださいよ……」


 せっかくの雰囲気が台無しですから。


 「……ここからは妾は本気で行くぞよ!」

 「……私も本気!」


 と、カーリの姿がどんどんと代わっていく。身長が伸び、髪が伸びていく。軍服を着た邪神カーリが、そこに立っていた。冷酷な目をしていて、ものすごく畏怖の念を持ってしまう。

 邪神ちゃんの本気は、怖い。


 一方のオルテナ様は、光っていた。

 カーリ様が闇だとすればオルテナは光。相反している。


 『カーリのその姿! 久しぶりだ! 面白い。体力も半分しかないが、私も本気を出そう! 邪魔するな! 人間よ!』


 と、プレイヤーが固まったかのように動かなくなった。

 ゴエモンたちも動けなくなっていて、私、トロフィ、マシュマロ、ニル、ミソギ、ロトだけ動けるようだった。ルシファーも、誰もかれも動けていない。口だけは動かせるみたいだ。


 『ここからは神同士の戦いと行こうじゃないか! なぁ、主神様よ!』

 「なるほど。神じゃない人たちは動けなくしたのね……」


 ここからは神々の戦いだ。

 神である私たちは動けるのは当たり前、といったところだろう。神じゃなければ動けないのだから。


 「オルテナ。いくぞ」


 と、邪神カーリ様がオルテナと一緒に攻撃を繰り出した――











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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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