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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第八層エリア 【優美なる妖精】
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災厄 ③

 バリアが厄介だ……!

 と、その時だった。ベノムの上の空間が開く。


 「はああああ!」


 と、何かが勢いよく落ちてくると、そこにいたのはオルテナ様と邪神ちゃんだった。

 え、駆け付けてきてくれたの?


 「絶好調! ミキ様! 助けに参りましたよ!」

 「ふはははは! 我が親友のミキを助けなければ親友と呼べないからのぅ!」


 神が二人……。

 オルテナ様も一応は創造神だ。今はこの世界で旅しているからなんともいえないけれど、二人が駆け付けてきてくれたことはでかいかもしれない。


 「アルテナ様は?」

 「お姉さまは少しやることがあるそうです! お姉さまが手助けをしろということで! 無理やりこの世界に入ってきたんですよ!」

 「ふはは! 邪神カーリをなめるでないぞ! 妾も力はあるからのぅ!」


 突如現れた邪神ちゃんともう一人の神に驚いている人が多かった。


 「だがしかし、破壊神……。こいつは妾とアルテナが封印していたはずなのじゃ。誰かがそれを解いたとしか考えられぬが……」

 「犯人捜しは後にしましょうよ。それより、まだ死んでないですよ」

 「そうじゃのぅ。ベノムは恐るべき神じゃ。力はアルテナ様に匹敵するからのぅ」


 そうなんですか……。


 『邪神にオルテナか……。私をいまさら止めにきたのか?』

 「そうじゃ。世界を壊させるわけにはいかないからのぅ」


 邪神ちゃん……。カーリ様がベノムを睨む。


 『どんどんと人間の世界の勢力が弱まっていく。それでよいのか?』

 「ど、どういうことじゃ?」

 『こういうことだ』


 と、突然宙に画面が浮かぶ。それを私たちは見ることになった。

 今のうちに攻撃を……と思ったが、その光景を見て、言葉を失ってしまった。第一層エリアが、燃えている。他の階層もみんなみんな……。

 いや、生きている人はいた。だがしかし、この惨状は……。


 『私の魔力が魔物どもを強化したのだ。魔物どもは今も人間の街を襲っている。人間が大事だというのなら私と戦わず人間を守ればよかろうに』

 「なぁっ……!?」


 この惨状は……。

 勇者が奮闘し、ガガトツなど死んだ王や、参戦してない王、ハーメルンが戦っていて、グィネヴィアも人々の回復に専念している様子が見えた。

 

 「な、なんだよこれ……」


 ストレングスはそうつぶやいていた。


 『ぐうう! ネズミたち! 人々を避難させろ!』

 『皆様! お気を確かに! けがは私が治します。負傷者の皆様は私の元へ!』

 

 グィネヴィアとハーメルンが映される。


 『はあああ! メテオー!』

 「マーリン!?」

 「マーリンじゃないか!」


 アーサーとランスロットが反応した。

 マーリン……。


 『なんだか知らねえが力が湧いて出るぜ!』


 た、大罪!?

 大罪はまずい……。力が違いすぎる。それに、こっちには戦えるNPCは大体連れてきている。相手する人がいないと思うが……!


 『そこまでだぜサタン様よぅ!』

 『マモンかよ! そこを退け!』


 マモンとサタンが対峙していた。


 『あらぁ、クロック。邪魔するの?』

 『邪魔するに決まっているだろう。我が主人はそれを望んでいないのでな』


 ベルフェゴールとクロックが対峙していた。

 クロックがいたか……! だがしかし、カイザーコングなどのボスはどうなった? ベヒーモスは? と思っているとベヒーモスの姿が映る。

 ベヒーモスはカイザーコングを吹き飛ばしていた。


 「……味方なのか?」


 あれが敵でさらに強化されたら勝てないと思うんですけどね……。


 『ひどい惨状です……きゃっ』

 「コマチ!」


 と、ゴエモンが心配そうに身を乗り出している。


 『そこのあなた大丈夫ですか!?』

 「ウリエル……!」

 『私は戦えません。ただ、モンスターのいない天界に皆さんを運びます。ぜひコマチさん。私と一緒に天界へ!』

 『う、うん……』


 ゴエモンはほっとしたように胸をなでおろしていた。

 そして、映像が途切れる。


 『この外の世界でも私の力を受けた魔物たちが活発化している。滅ぶのも時間の問題だろう』

 「クエスト名災厄ってこのことか……」


 たしかに災厄の名の通りだ。


 『人間を思うのなら私に構わず人間界を手伝えばよいのに。人間の勢力がどんどん弱まっていくことこそ滅びの時だ!』

 「ぐぅぅ……! オルテナ! ここはっ……!」

 『行かせん。オルテナとカーリは此処に残るのがいいさ』

 「……どうしても行きたいならベノムを倒すしかないようだね」

 『その通りだミキよ! 一刻も早く私を倒し向かうがよい!』


 なるべく早く倒さなくちゃならない。それは辛いな……。

 まだ体力も三分の二くらい残っている。半分も切っていないのに……。どうしたらいいんだろうか。















どんどん手間取るほど滅びに近づいていく。

人間界に残ったプレイヤー、勇者、ハーメルンたちの奮闘次第。

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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