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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第八層エリア 【優美なる妖精】
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愛すべき世界 ②

 「ふははは! どうした! バリアを破れぬのでは話にならないぞ!」


 そういってベノムは、ふんと腕を振るうと闇の鳥がこちらに飛んでくる。地面に着弾した闇の鳥は燃えて地面が溶けている。触れたらダメージを受けるだろう。

 さきほどからベノムに突撃して言っては返り討ちにされている人もいる。


 「ミキ! どうすればバリアを破壊できる!?」

 「ミキ! どうすればい!?」


 そ、そう言われましても!

 観察を続けているけれどバリアをどう破ればいいかという手掛かりは得られていない。それさえわかれば簡単なんだけど……!


 「バリアを破れないままだとじり貧で負けてしまうぞ!」

 「ここはどうしてでも破りたいわね……ククク……」


 未だにベノムのバリアにはひびすらも入っていない。攻撃も猛襲に耐えきれている。バリアにもダメージは入ってるのだろうけど、破れそうな雰囲気はない。


 「特定のアイテムかスキルが必要な場合だと詰む……」


 よくある話だ。異世界だと魔王を倒すのに聖剣が必要で聖剣は道中のクエストで手に入るからスキップしては手に入らずダメージが通らないまま死ぬ、とかあると思う。必須イベントをもしスキップしていたのなら、この戦いは無駄、ということになる。

 

 「うぐぅぅぅぅ! わからない!」


 その時だった。

 バリアに少しひびが入った。矢が飛んできたが……。まさか、弓矢か? 弓矢で攻撃……? いや、落ちている矢を見てみるが、特に変哲もない。普通の矢。

 ひびが入った……? どういうことだ?


 バリアをよーく目を凝らしてみてみる。と、ところどころ少しだけ色が違うところがあった。もしかして……?

 まとっているバリアは紫だけどところどころ紺に近い色をがある。紛らわしいから気づかなかったが……。もしかしてそこを攻撃するのか?


 「なるほど。わかった」

 「どういう方法だ?」


 私がそうつぶやいたのを聞いていたのかトロフィが問いかけてくる。


 「あのバリアには紺色になってる部分がある。そこを攻撃すればひびがはいる。全部バリアの弱点を攻撃すれば破れるはずだよ」

 「そうか。なら、そこを狙うべきなんだな」


 近くにいるとやられるかもしれない。ここは狩人が理想的だろう。


 「ゴエモン! 弓矢って今持ってる?」

 「おうよ! 泥棒はあらゆる武器を所持しているぜ?」

 「よし、ゴエモン! さっきの説明聞いてたよね? そこを狙って?」

 「よしきた! 天下の大泥棒のゴエモン様に任せとけ!」


 ゴエモンはどこからか弓矢を取り出し、狙いを定めている。


 「まずい」


 ベノムはそういってよけようとするが、動いていない。動けないのだろう。


 「ククク……死者縛り……。死者の魂があなたを引き込むわ……」


 透けている手がベノムの足を引っ張っている。それが何重も重なっていて力負けしているのか動けていない。

 怖いけどミソギナイスぅ!


 「っと、まずい!」


 ベノムは遠距離攻撃もある。

 先ほどの闇の鳥を含め、まだまだあるだろう。


 「マシュマロ、ニル! ゴエモンを必死に守って!」

 「任されました!」

 「はい!」


 案の定ベノムは闇の鳥をこちらに向けてきた。

 それをマシュマロはジェット噴射で軌道を変える。が、闇の鳥は大きく旋回してゴエモン一直線に向かっていった。何かに被弾させないとダメという感じだな……。


 「龍のうろこ!」


 すると、盾状のものがニルから飛び出し、それに闇の鳥があたると爆発した。


 ニルファインプレー!


 ゴエモンは次々と矢を放っていく。バリアはひびが入っており、あと少しで破れそうだ。あともう少し。ゴエモン。頑張ってくれ……!


 「これで、最後だぜ」


 最後の矢が放たれた。

 矢はバリアに当たり、パリーンと甲高い音を立ててバリアは破れたのだった。










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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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