世界の真実 ①
世界を壊す。
それには、世界の真実を知るべきだと思った。だからこそ、私は調べる。謎があるとすればあの場所しかない。が、あの場所は多すぎるし、いきたくないところもある。
「ニル、マシュマロ、マグダッド。君たちも協力して」
「わかりました」
「わかりました姉さま!」
「わかったよ。俺でいいのなら協力する」
王を使うことにする。
それに、案内役としてプー、ムー、〆サバ、マーヤを呼んだ。みんな快く了承してくれて嬉しかったが、私も調べないといけない。
「プー、ムー、ニルはジパングに、〆サバ、マシュマロは常世。マグダッド、マーヤがエル・ドラードをお願いできるかな?」
「わかった!」
理想郷を調べる。
カナアンは私が担当する。
「みんな気になったことあったらメモしてきてね。些細なことでもいいから。また守護する人がいたのなら話を聞いてきて」
そう指示をして私はカナアンへと向かっていった。カナアンは飛行スキルを使用。第四層エリアの海を飛んでいくと見えてきた。約束の地。
文献には精霊たちに与えられた約束の土地……。それがカナアンであり、理想郷。理想郷につくと、私に乳と蜜を与えた老人が姿を現す。
「何用じゃ?」
「話を聞きに来た」
「そうかい。なら、ゆっくりしていけよ」
と、奥に案内してくれたので私はそれに続くことにした。
目の前にはカナアンの老人がいる。
以前の人とは別人なのだろうか。いや、同一人物か? 雰囲気がそっくりだしね。
「何を聞きたいのですかな神よ」
「この理想郷の役割だよ」
「役割?」
「この理想郷が何のために力を持っているのか。それを聞きたい」
隠し事もしないでそのままぶつけてみる。
老人は笑っていた。
「ふっふっふ。真実を知りたいのじゃな? よかろう。嘘偽りなく教えてやるさ」
老人はこちらを見る。
「まず、何じゃと思う? おぬしは。理想郷がなぜあるのかを考えたかのう」
「……人々を幸福にするため」
「惜しいが違うのぅ」
違うのか……。
「まあわしから答えは言わん。しいて言うなら謎をあげるくらいじゃな」
教えてくれないらしい。
その謎の答えがこの世界の真実につながっているような気もするが。
「頭の良いお主ならすぐに気づくじゃのぅ」
「……その謎は?」
「”人々は理想を追いし者”これじゃ」
人々は理想を追いし者……。
どこがおかしいんだ? これ自体に意味がある、のか? これが謎だといった老人。カナアンの守護者。これに世界を解くヒントがある。
……世界の真実が書かれた紙。それと一緒に考えたほうがいいのだろうか……。いや、違う。まだ一緒に考えたほうがいいのは……ディストピア。あのオルテナ様の世界……?
人々は理想を追いし者。
……ああ。なんとなくわかった。答えが分かった。
「……やっぱりお主は頭が冴えるようじゃの。もう合点がいったのか」
「……うん」
「じゃ、その答えを聞かせてみい」
「わかった」
私は息を吸う。
「この世界は、まがい物」
ミキちゃんはもう答えがわかりました。調べさせたのは無駄足だったかな?
ミキちゃんは賢いのです。運営のストーリーなんかよくわかります。