過去を見返してみよう
このゲームのストーリーの最終章は、きっと……。
このA2Oはストーリーがある。それが終わってサービス終了というわけじゃなく、ストーリーは別枠と考えたほうがいいのかもしれない。
ワールドイベントクエスト、はストーリーの一環だとしたら。
「ドロシー。オズに代わってくれるかな?」
「えっ」
そういうと、ドロシーはオズに代わった。
「何の用だい?」
「いや、この世界の真実、オズなら知ってるかなって」
「この世界に? 真実なんてあるわけがない。この世界自体には謎は存在しない」
要するに知らない、というわけか。
アルテナ様に聞いてもいいけど、はぐらかされそうな気がする。だからこそ聞くに聞けない……。ベノムという謎の男。世界を壊さないか、というもの。
世界にはわかっていない謎がある。それを解き明かさなければ、私はその答えを出せない。
世界の真実が記された巻物がある。が、裏付けはない。事実とは限らない――
賢者オズが知らないとなると、頼れるのは誰もいないだろう。
いや、いるか……。
というわけでクロックのところにやってきた。
クロックは椅子に座り、こちらを振り向く。
「ふむ、この世界の真実か。それを解き明かしたいと?」
「うん。クロックはわかる?」
「神ですらわからないものを私がわかるわけがない。が、知りたいのなら過去を探ればでてくるのではないか?」
「過去?」
「人の手の介入により葬り去られた史実なぞごまんとあるぞ」
そうか……。
「過去に行くのなら私も行こう。私がついていればどの年代でも行けるからな」
「頼もしい。けど、ちょっと待ってね」
私はガブリエルを召還する。
ガブリエルは眠そうな目をしていた。呼び出しに気づいたのかぴしっと背を伸ばす。
「ミキ様なんですか?」
「ちょっと協力してほしい。仕事の最中悪いけど」
「いえ大丈夫です! で、なにをするんですか?」
「歴史を見比べてほしいんだよね」
「歴史を?」
ガブリエルは首をかしげる。
ガブリエルを召還したのは歴史を纏めているのがガブリエルだからだ。すなわち歴史を一番知っているのはガブリエルであり、ガブリエルも知らない記されなかった歴史こそ、謎を解くものとなるんじゃないだろうか。
「クロック。ガブリエルを時間行き来できるようにして」
「おまかせあれ」
「で、歴史を調べるのはガブリエルとクロックでやってほしい。頼めるかな?」
「いいですけど、なにをするつもりなんです?」
「ちょっとこの世界の真実を解き明かすだけ。それだけだよ」
わからないままにはしておきたくない。
疑問に思ったのなら解決するまでそのまま突っ走るのみだ。気になることをそのままにしておくとなんか嫌なんだよ。
私は過去のことをクロックたちに任せ、今度は飛行スキルを使用した。
ストーリーが終わったところでA2Oは終わりません。
A2Oのストーリーは付属品みたいなもので本来は自由気ままに生活するだけです。目的を作っただけであり、ラスボスがでてもサービス終了はないです。
なので最終回は近くないです。あらかじめ言うと。たぶん。