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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第八層エリア 【優美なる妖精】
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世界の真実を知りたい

 天界から降りようとしたその矢先。

 なにやら下界を見つめている男がいた。男は不敵に笑っている。


 「ミキ。来たようだな」

 「は?」


 男はこちらに振り向いた。

 不敵に笑い、こちらに近づいてくる。正直、不気味だ。こつ、こつと近づいてくる男から逃げるよう、一歩、二歩と後ずさりしていく。


 「そんなに怖がらなくてもよい。私は話をするだけだ」

 「は、話?」

 「危害を加えるつもりはない。椅子に座って、ゆっくり話でもしようじゃないか」


 と、男はベンチに向かい、座った。

 私は間を開けて座る。さすがにここまで不気味だと近寄れないっていうか、単純に怖い。けれど、なにやら、この男は重要だと思う。この世界の物語を進めることにあたっては。


 「自己紹介をしよう。私はベノム」

 「み、ミキ」

 

 男は、前を見据える。


 「ミキはこの世界が好きか?」

 「……好きだけど」


 好きに決まっている。

 ゲームの世界だろうが、この世界に愛着はある。楽しいし。魔物はちょっと私には物足りないけど、ローイたちやチリン、ソゥ様たちとプレイするというのも好きだ。

 ゲームだからこそ、こんなに関われるんだと思う。だから好き。


 「そうか。そういうものか」


 男は遠くを見ていた。


 「私も好きだ。人々が笑顔溢れている素敵な世界だと思う」


 だけど、その瞬間、男はベンチを思い切り叩いていた。

 ベンチが割れて、地面に尻餅をつく私。ベノムは立ち上がってこちらを見る。


 「だがそれが気に食わない……! だからこそ、私はこの世界を破壊する。ミキ。私と一緒に世界を壊さないか?」


 ベノムはそういって手を差し伸べてきた。

 どういうことかわからない。この手を取るべきではない、そう思う。だがしかし、意図がわからない。この世界の真実と、なにか関係があるのか?

 普通なら手をとるわけがない。けれど、私の中で何かが引っかかっている。それが、手を払うにも手を出すのもためらう理由でもあった。


 「……わからない」

 「そうか。まぁ、今でなくてもよい。答えを待つ」


 男はそう言って去っていってしまう。

 この世界を破壊するか否か……。その答えを出すのならば、この世界の真実を知るべきだと思う。どこで手に入れたかは忘れたが、世界の真実が載った巻物。それは本当に真実なのか……?


 疑問が残ったままだった。


 「……世界の真実を暴くしかないって言っても、暴くための証拠? がないもんなぁ」


 どこかにほころびがあればそこから辿れるかもしれないのに。

 ……面倒くさい。ちょっと放置しておこう。この問題は。というか、答えた瞬間、ストーリーが進みそうな感じがする。













こいつ……あからさまに怪しいぞ……

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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