ウリエルの仲直り ②
ガブリエルの仕事場。ガブリエルは机に突っ伏して寝ていた。目の前には鎖のついた箱庭がある。私が封印されていたような箱に似ている。そういえばあの箱放置したままだったなぁ。
すぴーと心地よく眠っている。
「ここ最近封印のせいで眠れてないらしいですからね。仕方ないです」
ラファエルが布団をかけていた。
ウリエルは、驚いたように目を見開いている。ちゃんと仕事しているって呟いていた。まぁ頼んだのは神様だろうしこれはガブリエルにしかできないのなら仕事をするのは当たり前じゃないだろうか。
それにしてもこの箱庭の封印。私は触ってみる。
すると、また吸い込まれるように箱庭に入っていった。まだ封印解けていないのか?
すぐに解放されたが。
外に出て、箱庭を眺める。
「神様が触ると封印されるのですね。私たちが触れても大丈夫なのを見ると対象は神様だけの用ですねぇ」
「みたいだね。いきなり封印されてビビったよ」
そういってるとガブリエルの上体が起き上がる。寝ぼけ眼でキョロキョロと辺りを見回していた。
「はへ……? ベッドじゃない……?」
「ガブリエル。ここで寝たら風邪ひくよ」
「うりへるのほえはふる……」
「いるからね」
ガブリエルは目を擦る。そして、頭がどんどん回ってきたのか、こちらを見た。
「う、ウリエル!」
「はいはいウリエルですよ」
「ウリエル! ごめんね! 私が悪かった! 仕事の量多いってきついんだね……」
「わかったならいいけど……私もごめん。感情的になってた」
お互いが頭下げていた。
ガブリエルも反省して少しは自分のこともやるだろう。ウリエルがしたことは無意味じゃないと思うな。
「ったく、ガブリエルはその封印に今は集中しなさい。私が整理しておくから」
「おっけい! っていってもこの封印の仕組みはほぼほぼわかってるんだけどね」
へぇ。もう仕組みまで解けているんだ。
「ただ、厄介なんですねえ。神自体を封印する箱庭となるとものすごい力が必要なので犯人は絞られますからね。あとはできそうな神を文献で漁って調べるだけですね」
「へぇ」
「神の力を封印できるモンスターは極まれにですがいるんです。神自体を封印するのはモンスターでは不可能ですし、天使もそんな力を持てるのはウリエル、ルシファーだけですけどお二人は違いますよね?」
「私はミキ様と一緒にいたしする暇がない」
「我も違う。神に抗うなどという身の程を弁えない行為なぞ我はしない」
「となると、神のうちの誰かなんだけど、一番の容疑者はオルテナ様になるんだよね」
ですよね。
たしかにルシファー、ウリエルが違うとなってこの世界の神が全員封印されたとなると真っ先に疑われるのは別世界から来た神様であるオルテナ様。
だけど、今更こういうことをするとは思えない。しかも逆らえないアルテナ様すらも封印はしないだろう。だから外せるとは思う。
「オルテナ様も違うよ。他の神様はともかくアルテナ様を封印は絶対にしないから」
「そうなんですよねぇ。だとすると誰が可能なんだっていう話になるんです。アルテナ様も神様全員を洗ってみるとかいってますが成果もないようで」
うーん。本当にあの封印は誰がやったんだ?
「でも創造神も封印できるって限られてるんじゃない? 主神とか」
「……自分の首絞めてどうするんですか」
「へ?」
「この世界には主神は貴方しかいないのですよ?」
まじか。
となると、これいったせいで私が犯人扱いになるのか?
「私はしてないよ!? そもそも封印なんてできないし!」
「知ってます。ミキ様はやるお方じゃないと思ってますよ」
「ですが創造神すら封印できるとなるとミキ様が言うように主神ぐらいなんですよね。うーん……」
本当に誰がやったんだ?
重大なネタバレをしたい。してもいいかなぁ?