神化合体 ②
「またおかしなことやってぇ」
チリンがそうぼやく。目の前に私がいないからだ。
中にいるから丸聞こえなんだけどね? この中ってフレンド機能は使えるけれど他の機能は使えないらしい。プレイヤーにやるからこうなるのかね?
私はチリンから出る。
「あざっす」
「もう……」
今度はアーサーとかにやってみよう。
誰に使えるかはっきりしておきたい。
ギルドのNPCの部屋にはクー・フーリンしか残っていなかった。なのでクー・フーリンで試してみることにする。
クー・フーリンの手に触れた。
「なんだ?」
「ちょっとスキルの実験させてね?」
私は合体、と唱えると、クー・フーリンの体に入ることが成功した。が、ちょっと違う結果が起きた。操作できないと思ったらぐーぱーとかできて操作できている。
NPCにやると操作できるのか? となると、NPCのふりをすることも可能というわけになるのか。
これは……やばいな。でようとすると。
「クー・フーリン。クエストいこ」
やべっ、チリンだ。
「……クー・フーリン?」
「……その、さ」
「……もしかしてミキ?」
こくりとうなずく。
「なにしてんの!?」
「いや、NPCにできるかなーって思って誰かでやろうと思ったらクー・フーリンしかいなくてね」
「早く出なさい!」
はいはい。
クー・フーリンからでるとクー・フーリンははっと目が覚めたように辺りを見回していた。
「すまないご主人様。眠っていたみたいだ」
眠っている扱いになるのか。
なかなか遊べるなこのスキル。天使召喚でもして誰かに入ろうかな? サンダルフォンがいれば前みたくサンダルフォンを操作できるようになるのか。
面白いスキルだ。実践的に使うのはまだ先になるだろうけどこのスキルはなぁ。
ルシファーの中にでも入ったらおもしろそうだ。
「もう、クー・フーリンいこ」
「はい」
チリンとクー・フーリンはクエストに向かっていった。
私もとりあえずカティを誘ってできなかった木工神のダンジョンにでも向かおうかな? サティが作れるようになったら神器造ってもらってベヒーモスに再挑戦したいものだ。
……だけどちょっと遊んでから行こ!!
ルシファー呼び出し!
ウリエル呼び出し!
「ウリエル。呼び出してごめんね?」
「いえ、特に暇だったので……」
「なにしてたの?」
「ミキ様の農場でドロシー殿と一緒に農作業をしておりました」
農作業をする熾天使って……。
だけど暇ならちょうどいい。ウリエルを使ってガブリエル達にいたずらしようかなぁ。もちろん本人の了承は取るけどね。
「ウリエル。ちょっと合体していい?」
「合体? まぁ、私でよいのなら」
「ならするね」
私は、ウリエルと合体した。




