木工神のダンジョンへ
ウリエルがギルドにやってきた。
私の部屋に案内すると、椅子に座る。そして、ぐーすかと眠り始めた。一瞬で寝落ちたな。めっちゃくちゃ疲れてるんだなぁ。
……まぁいいや。ウリエルが寝てる間私もやりたいことをやらなくてはならない。
「カティにあのこと相談しに行くか」
カティの工房にやってくると、カティはタンスを作っていた。
「カティ。ひまー?」
「あら、来たわね。ミキ」
カティは作る手を止めた。
肩をまわしながら「なにかしら?」と尋ねてくる。
「いや、相談がね」
「新しい武器がほしいのかしら?」
「うーん。それも関わるけど、カティ。難しいもの作ってみない?」
「……作りたいわね。もう持ってるレシピの奴じゃ全部簡単すぎるのよ。もっと難しいものに挑戦したけど……そんなのあるかしら」
「あるよ」
私はヒュプイストス様からもらった地図を取り出す。
木工神の居場所は第5層エリアのワノ山にいるらしい。そこにある森型ダンジョンでこういう道でいけば会えるという。
ワノ山の森型ダンジョンといえば一つしかなくて、存在だけは知ってたけれど同じところをループする現象が起きていた。しかも、二人パーティでしか挑めず、敵も強いという噂もあった。
それが謎だと騒がれてたなぁ。まさかあれが木工神ソーリッドのダンジョンだったんだ。たしかにループするのはヒュプイストス様と似てる。
「まぁ、ついてきてもらうことになるよ。ダンジョンに」
「……そうしないといけないのかしら?」
「うん。大工がいるパーティじゃないとダメだと思うんだ」
「なるほど……。わかったわ。準備しておいた方がいいものとかあるかしら?」
「特にはないと思うけど……」
どんなギミックが来るかわからないしね。
というか、大工のスキルが必要となるはず。
「なら今から行く? 私はいつでもいいわよ」
「なら行こ」
チリンにウリエルを頼んでおくかな。
木工神ソーリッド。ヒュプイストスと同じく神器を造らされるのかな。タイミングとかはないだろうけど、多分難しそうだ。
たとえば……長さが違うとだめ、とか?
いや、わかんないけど……。
「戦闘にはあまり自信がないから介護よろしく頼むわね」
「任された」
ローイも介護しながらいってたし多分大丈夫……。森だから茂みからモンスター現れる分ローイより難易度は高いけどね。
森型ダンジョンとかいういきなり不意打ちされるダンジョンね。あれ嫌いなのよ。
茂みが揺れたと思うとすぐにとびかかってくるモンスターいるし。
それに、暗いと幽霊もでる。なので朝のうちに潜りたい。
今はまだ昼だし、なんとかなるでしょ!!
と、思っていた。けれど、その時、アナウンスが聞こえてきた。
《緊急ワールドクエスト:世界を守る神 を開始します》
という、アナウンスが響き渡った――
ウリエルはただ保護するだけのクエスト。他のクエストを受けることも可能。
ただ、