訛りが強い青年の手助け
気が付くと森の中。
あたりは木で囲まれた森の中にある集落。私はそこにいたのだった。周りには数人寝転がっている。どうやらこの人たちもプレイヤー。イベントの参加者だ。
ぞろぞろと起き上がる。
そして、私たちにメッセージが届けられた。
『第二回イベント開催します。
まず君たちはそれぞれサーバーに分けられました。そのサーバー内でイベントを行います。
期間はゲーム内の七日間。時間を加速し現実では三時間程度しか経過しないことになる。
内容は村へ貢献をするということとなります。
手伝いをしたり村を害なす敵を討伐して貢献度を稼ぎ、その貢献度で順位が決められます。
見事貢献度第一位になったサーバーは報酬が与えられます。
一種の慈善事業だと思い、気楽にプレイしていただけると幸いです。
運営より愛をこめて』
……絶対最後ふざけたろ。
まあ、村の人を助ければいいんだね。手伝ったりして貢献度を稼いでいけばいいのか。なら、早速行動を起こすとしようかな。
私は村の中を探索し、困っている人がいないかどうかを探してみる。
すると、お兄さんがなにやら困っていたようだった。
「どうしたんですか?」
「? あんた見ねぇ顔だべ」
「ああ、えっと、違う町から来ましたミキっていいます」
「ミキ? まあなんでもいいべ。ちょっと手伝ってくれや」
「は、はあ」
なんかものすごく訛ってる。
北海道弁なのかな? 北海道の人ってよくだべって言っているような気もする。偏見だろうか。まあ、手伝えばいいんだな!
なら……。
「なにするんですか?」
「ああ、ちょーっとだけ畑仕事手伝ってほしんだべ。見事にボアにやられちまって。もう一度畑起こすんだべ。鍬はあの納屋にあるからそれで掘ってほしいんだべ」
「おこせばいいんですね? なら……」
精霊魔法の土を唱える。
消費MPは激しいがとても便利になる。土を耕すのも簡単に行える魔法であり、とても汎用性が高い魔法であるからして。
まあ、こういう目的で作られたのかわからないけど……。
「すげえ! 一瞬だべ! あんたなにしただ!?」
「ちょっと魔法を使ったんですよ」
「魔法!? そんなもん初めて見た! もしかして王都から来たんかい!」
「え、ええ。まあ」
「こんなはるばる遠い村まで……! 王都の人がここまでくるなんて滅多にねえ! 今日は俺ん家泊まってくだ! そして自慢してやるでよ。”王都のもんがうちに泊まった”ってな」
王都から来ただけですごいブランドイメージらしい。
「ありがとうございます。では、まだやることあるので私は行きますね。夜になったらまたここに来させてもらいます」
「わかっただ! 午後七時には待ってるでよーーーー!」
と、訛りが強い青年に見送られ私はまた困ってる人を探す旅に出た。
だべとか作者の周りの人も使ってますね。お爺ちゃんなんかが。作者は北海道の人ですがあまり方言は知りません。投げる=捨てるだとかばくる=交換する
ぐらいでしょうか?