鍛冶神のダンジョン ④
階段を降りると明らかに地形が違った。
無限ループしていた一階とは違うこんどは寒い場所。冷えてる……。ただ、まぁ、涼しいっていう程度だけれど……一階とは寒暖差が激しいな……。
「……火の打ち所が反応しねえ」
「となると別のスキルかなぁ」
この階層を歩き回って調べてもらったけれどどうやら反応しない。
となるとまた別のスキルを使うけど……。何を使うんだ? ヒントみたいなものはないのだろうか……。
「……”瞬間冷却視”」
と、ローイが言う。
瞬間冷却視?
「瞬間冷却視はいつ鉄を覚ますかというタイミングを見るスキルなんだがな。なんとなくこれ使うんじゃねえかと」
「なんとなく?」
「おかげでわかったぜ。ここだ」
壁をこんこんと叩くので壁に魔法をぶっ放して壊す。と、また階段が現れる。
火の打ち所、瞬間冷却視……。もしかして、この階層の状態がヒントなのかな? で、同じところをループしていくにつれて暑くなってマグマが出ていたりするのはそのヒントをどんどん大きくするため……?
なるほど。攻略法はわかった。
三階。
三階は暑くもなく涼しくもなく……普通の適温だった。
熱する、冷ます……ときて鍛冶でやることといえば……。
「叩くスキル!」
「”精錬”だな」
ローイはハンマーをもち、壁を思いっきり叩く。
すると、かーんかーんかーんと音が響く。が、響いているときに一回だけ鈍い音があった。音が違うところが階段だな。
「音が聞こえたのはこっちだな」
敵をなぎ倒しながら進んでいく。
ローイは壁を金づちで叩きながら進んでいた。どこにあるのかを調べるためだろう。こんこんと壁を叩いていく。
「ここだ」
と、金づちで叩くとごーんと鈍い音がしている。
そこを魔法で壊すと、階段が現れた。私たちは下っていく。
すると、降りた先には、でかい扉があった。
扉を開く。
すると、広い空間に出た。そこは鍛冶場であり、とても熱気がある。その真ん中で、一人おじいさんが鉄を打っていた。
おじいさんはこちらを向く。
「おお、おぬしらか。ワシのダンジョンに挑むとはの。どうじゃった?」
「結構疲れましたね」
「そうじゃろう。なかなかたどり着けないようにしたからの」
と、笑って髭をさすっている。
このおじいさん誰だ?
「おお、紹介が送れたの。ワシは鍛冶神ヒュプイストスじゃ」
「あ、私はミキでこっちがローイです」
「ほう。ローイ……。そなた、なかなか鍛冶ができるようじゃの」
と、おじいさんは何かを審議するような目でローイを眺めている。
頭からつま先までじろじろ見ている。ローイは少したじろいでいるが。
「うむ。お主なら試練を与えても大丈夫じゃろう」
「試練?」
「お主にはこれから神器を作ってもらうぞい」
「「神器!?」」
私たちは顔を見合わせた。