鍛冶神のダンジョン ②
新年あけましておめでとうございます。
鍛冶神のダンジョンを順調に攻略していく。
火の魔物が多いのは鍛冶だからだろうか。というか、あっつい……。こんなマグマ垂れ流しのところはふつう死ぬって……。
……って、あれ?
「ダメージ受けてる!?」
「マジだ……。ならこれ飲め」
と、手渡されたのは冷却ポーションというやつだった。
え、これ、ソゥ様が使い道無いんだよなーっていって二束三文で売り払うような奴でしょこれ。なんであるの? こっちのほうが結構レアだと思うけど……。
ソゥ様曰く、制作難易度と使いどころがあってないらしい。
「これ逆にレアなポーションじゃん」
「ああ。うちのギルドで趣味で作ってるやつがいるんだよ。飲むと涼しくなるとかいってさ」
「へぇ……」
このポーションがついに輝くのか……。
「まさかここで使う羽目になるとは思わなかったがよ。どこで活躍するかはわかんねえなぁほんと」
「今まで火山ステージとかなかったもんね」
冷却ポーションは火山ステージで使うと思っていた。
だけど火山ステージは一向に実装される気配もなく、もしかしてこのポーション使わないんじゃね? と誰もが思っていた。
備えあれば患いなしってこのことなんだなって。
「だが、結構な階層潜ったが……ボスが来そうな気配はないな」
「だねぇ…」
ボス部屋まで近づいてるとは思うんだよ。
ただ、深い。敵は何ともないとはいえさすがにMPが目に見えるくらい減ってきている。というか、使いすぎてもう半分くらいなくなっている。
いや、まぁ、後ろの羽根ちぎれば回復はできるんだけれど……。
「ダンジョンって普通10階くらいでボスだが、もうその倍はいってるよな」
「まぁね」
どんだけ深いんだよ。
「もう階段の場所とか記憶しちまったぜ」
「ん?」
ストレングスの言葉に少し違和感を覚えた。
その違和感が何だかわかんないけど……。
「どうした?」
「いや、なんか違和感が……」
「違和感?」
「……その違和感がまだわかんない。考えながら進むよ」
私たちはまた動き始める。
さっき感じた違和感……。それはなんだ? さっきのストレングスの言葉のどこに引っかかったんだ? わからない。わかんないんだけどなんかおかしい。
えぇ……。
「ねぇ、ストレングス。階段ってどこにあるんだっけ?」
「ん? 下降りる階段はあそこの角曲がった先にあるだろ?」
「……それだ!」
多分違和感の正体はそれだ!
「ダンジョンっていつも階段は違う場所にあるじゃん。なんで同じ場所にあるんだろうって今思った」
「……そうだな。言われてみれば……」
「行ってみよう!」
私の予想が正しいのなら、もしかしてなんだけど……。
私たちは階段につくと、階段を駆け下りていく。
「……ストレングス。あがるよ」
「は?」
「もしかしてだけど……」
私たちは階段を駆け上る。
すると、そこは洞窟の中だった。敵もいない一階層のダンジョンに戻っている。なるほど、ループしていたのか……。実は下の階だと思ってたのがループしてダンジョン二階を延々と攻略してただけか。普通気づかねえよ初見で!
無限ループって怖いよね