鍛冶神のダンジョン ①
妖精広場につくと、ストレングスさんは結構でかい鎧を着ていた。防御力もすごそうだし……。
「よぅ。さっきぶりだな」
「うん。結構な装備だね……」
「おうよ。躱すなんて芸当俺は苦手だからな。ダメージを受けてもいいようにこの装備だ」
苦手そうだもんねえ。
でもこの鎧防御力は本当にすごいんじゃないだろうか。
「この鎧がローイ作だったらまだ性能は上がってたんだろうが、これでもローイに次ぐ鍛冶の腕前が上手い奴が作ったんだぜ」
「ほえー」
すごいな……。
「まぁ、いくか。案内する」
案内されてきたのは大きな洞穴。
以前言った常世というところとは別の方向にある山。妖精の国は山に囲まれていて、北に常世の山、東に妖精の山、そして今来ている西の山が鉄の山というらしい。
この山の特徴は鉄鉱石が多く採取できるんだとか。そこの入り組んだところの奥にこのダンジョンがあった。
「ライトの魔法頼めるか?」
「わかった」
暗くて何も見えないのでライトの魔法を使用。
モンスターは今のところいなさそうだけど……。
「ねえ、ストレングス。この階ってもうダンジョンだよね?」
「ダンジョンだ。だがここはモンスターでない。地下一階に降りてからが本番だな」
なるほど。
階段があった。ここから降りろということだろう。降りてみる。と、早速モンスターが武器を構えて待っていた。階段を上ってくるモンスター。私は魔法を唱える。
モンスターは一撃でやられていった……。
……ここのモンスターのレベルを鑑定。
……私より全然低いじゃないか! 一体およそレベル160。私と40も違う。そりゃまぁ結構楽そうだと思えるわけだ。
ストレングスのレベルは110。今の普通のプレイヤーの限界レベル。まぁそりゃ強いわ。
「……俺意味あるかこれ」
「なさそう……」
「……ミキ、今レベルなんぼだ」
「200」
「にひゃ……なぜそこまでいってるんだ!?」
「……まぁ、神だから?」
神だから仕方がない。
まぁ餓鬼がでかかっただけなんだけど。あれがものすんごく経験値がうまかった。本当にあれはうまかったし、なにより一番苦戦したのがあれ。
「とりあえず任せてもらっていいよ。ストレングス……は、私のカバーをお願い」
「……それしかねえもんな」
集団で襲い掛かられているのでたまに当たってしまいそうな時がある。
200だからといって防御もトップというわけじゃなくて。防御は本当にない。ストレングスと対戦したときにも結構ダメージがあったんだ。それで察しろ。
「ミキってつくづくバケモンだよな」
「…そう?」
「身体能力とかが高すぎるだろ。普通そこまでできないわ」
「うーん。そうかなぁ」
私自身スペックは高いとは思ってる。
けど人に言われてそうだよって認めるのはちょっと恥ずかしいな……。
「天才ってすげえなまじで。天賦の才能じゃねえかよ」
「あ、ありがとう」
「……おまけに可愛いもんな! 俺この戦闘が終わったらお前に告白する!」
「……ごめんなさい?」
「……死亡フラグ立てたつもりだったんだが……」
「あ、そうなの?」
「ごめんなさいって本気でフラれたみたいになるんでやめてください。心に来ます」
ご、ごめん……。