理想もない不気味な世界 ①
街についた。
街についた……のはいいんだけれども。人々の様子がどうもおかしく感じられる。まるで自由じゃないように感じる。
服装もみんな同じ、髪形も女性と男性で統一されているし髪の色は全員茶色。この統一されていることが逆に不自然さを感じさせる。
何かに縛られているかのような……。
「すまない。少し聞きたいのだが」
「なんですか?」
「ここはどういう街なのだ?」
「ここですか? 素晴らしい街です」
そういって男は去っていく。
そして、オズは今度女性を捕まえて同じ質問をするが「素晴らしい街」としか答えず、結局はわからずじまいだった。
不気味。
そう感じていると騒ぎが起こる。
「こいつは規律に違反した! ただちに粛清を行う!」
と、軍服を着ている男性が捕まえているのはこの街の人と違う黒髪ロングの女性。
それだけで? それだけで処罰されるのか?
「ん? そこのお前らも規律に背いている! 捕らえよ!」
と、私たちのほうに兵を向けられる。
兵が私たちを捕らえようと剣を抜いた。私は殺さないように手加減しつつ約束の地などを使用し逃げる。
「なんなんだここは! 不気味すぎる世界だ!」
オズに同感。
とりあえず逃げたい……けど、あの黒髪の女の子は助けるべきだと思う。私は黒髪ロングの子のほうに走って向かうと兵士はその子を手放し、剣を向けてくる。
なのでその子のほうに向かっていくと狙いが気付いたのか、剣をその子に突きつける。
「こいつが狙いだろ? まさか親近感でも湧いて助けようとしてるのか?」
私は約束の地を発動。
相手の足下にくぼみを作らせ転ばせる。その隙にその子を持ち上げた。ただ、力のスキルがそんなにないために結構きつかった。
「オズ! 逃げるよ!」
「ああ!」
私たちは全速力で逃げだした。
なんなんだこの世界は。
まるで統率がとれていなくてはダメという世界だ。人間的自由もなく、みんな統率されていないと収まらないのか? まさにディストピアだ。
人間らしさがまるでない世界だ。その中でこの子は抗おうとしたんだろう。それで処罰を受けそうになった。
「オズ、その子起こせる?」
「もちろんだ」
オズは魔法を唱え強制的に起こした。
女の子は目を開ける。そして、がばっと起き上がった。
「はれ? ここは? 牢屋?」
「違うよ。平原。捕まってたのを助けたんだよ」
私たちには聞きたいことが山ほどある。
ここがどこなんだとかはいいとして、どうやって元の世界に戻るか、だ。これはイベントクエストなら、当然終わりもあるわけで。
それまではオズと二人で攻略しなくてはならない。この世界で。
「君、名前は?」
「私ですか? 私はグレイス……です」
「グレイス。君はこの世界の人?」
「そ、そうですよ? それがなにか?」
なるほど。あちらの世界から来た人ってわけでもないのか。
「変な質問しますね……。あなた方は何者なんですか? なぜ私を助けたんですか?」
「んー、まぁ、何者かは話しておくか」
信用してもらいたいしね。
「私たちは別の世界から来たんだ。助けたのは少し聞きたいことがあったから、かな」
そういうとグレイスは目を見開く。
続けて私は質問をする。
「それで、君はなんで抗おうと思ったの?」
作者って基本的に寝た思いついたら投稿してってタイプだからすんごい途中でやめちゃっている作品が多い……どうしよ。
と、嘆いているのでやらないほうがよかったんじゃね? と思うと思いますが、なんかこういうのいいなっていう感じの妄想ばかり膨らんでいます。
その妄想の衝動が抑えられなくてつい書いてしまう……。全部終わらせることは言っちゃなんだけど不可能かもしれない……。
っていうのがぶっちゃけの話ですね、ええ。
ぶっちゃけていいのか怖いけど……続きを期待するのならたぶん十中八九書きます。たぶん。