牛舎と鶏舎とトマト
この土地は妖精の土地というらしく妖精がたまにふわふわ飛んでくるらしい。
妖精の国の畑だし飛んできて違和感はない。むしろ飛んできてほしい。妖精が気に入った植物に小さい祝福をかけるらしくかけられると上位種に進化?したり美味しくなるそうだ。
トマトだと甘さが余計に際立って果物のようになるらしい。食べてみたい。
「まあ最初だから少しだけ植えよう」
畑を鍬で起こし、種を植える。
水をまき、成長魔法をかける。すると、ぐんぐん育つ。生命の主神である私はこういうのもお茶の子さいさい。
勢い良く育ったトマトを一つもぎ取る。
「……微妙」
魔法なんか使うからだろうか。
強制的に育てたらその分まずくなる……のかもしれない。このトマト瑞々しくないしなにより甘くない……。ただの感触が気持ち悪いだけのもの。うーん……。
最初からずるしようとしたのが間違いだな。横着したらこうなるのか。
今度は魔法を使わないで育てよ……。
もぎ取ったトマトを最後まで責任もって食べる。
まずい……。
そして、またトマトの種を植える。
土に埋めると芽がでた。こういう風になるのか。で、説明によると肥料をまいて……。肥料か。一応鶏糞は買っておいたけど……これをまけばいいんだろうか。
とりあえず適当にほいほいっと撒く。
あとは水を撒いておくだけ……ね。
「ミキさーん。牛舎と鶏舎の建築終わりました」
「お、はやいね」
仕事が早い!
私は早速見に行くことにした。
牛舎には早速牛が入れられており、牛乳が採取可能となっている。
どうやって採取するかというと牛の横に回りかがんで乳の辺りを調べると採取可能。暴れる心配がないので安心。
牛乳1L手に入れた。
パック一つ分か。まぁまぁかな。
牛は三頭なので毎日3Lとれると考えてもいいだろう。そこまで飲むわけじゃないけど……。とりあえず牛乳を少し飲んでみる。
1Lだったのが800mlに減っていた。一回飲むと200ml減るらしい。ごくごくと飲み干す。うん、牛乳だ。
「牛乳……。うん。これはいけるな」
続いて鶏舎だ。
鶏舎は鶏の鳴き声がする。
茶色い卵や白い卵があった。それを採取する。鶏は特に怒った様子もなく餌を突っついていた。餌は自動供給されるシステム。というか、元からそういうものらしい。餌代を含めるときつい人もでてくるというのでそこは運営が餌を自動で出されるようにしたという話。
まぁさすがに土地、建物とか高価な買い物をして餌代も消えるとなるとお金の減り具合が半端ないからそれは仕方ないと思う。
「卵……。うん。美味しそう」
卵焼き、目玉焼き、親子丼、卵とじetc……。
卵だけでもバリエーションが多い。
これは料理が楽しみだな!