新たなことを始めてみましょう
特殊クエストも終わり、することもなくなったので新たなことを始めようといまスキル販売店に来ていた。
一年経った今その店は大きくなっていて扱うスキルも増えている。
だけれど、私の目的のスキルはただ一つ。
「農耕スキルと家畜スキルとった!」
新たに養鶏とか始めてみようと思う。
残念ながら第一層の土地の空きはない。なので、他の層につくることにした。
第八層。妖精の国の一角に作る。まずはそこの土地を買い、そして、種を植えるんだけど……。正直心配だなぁ。夏休みの宿題の朝顔ですら枯らす私がうまく育てられるのかどうか……。
育てるものはトメィトゥ(トマト)、ポティトゥ(じゃがいも)、コーン(とうもろこし)の予定。全部私の大好物。
じゃがいもは違うけど。むしろじゃがいもは食材として使い幅が大きくなるので作る価値があるので作る。夢だったんだよ。私の育てた野菜で料理して食べるの。
で、家畜のほうはというと、鶏と牛。
鶏は卵だけ。牛は乳牛だけ購入した。ゲームだから牛が怪我してダメになるとかそういうのはないらしい。卵もいつの間にか置かれているのでそれを取ればいいだけの簡単。掃除なんてしなくていいらしい。建物さえ立てれば。
なのでとっかかりとして立ててもらおう。
土地は一括で購入した。
五百万は軽く消えたくらいのいい買い物だったと思っている。ついでに納屋と農耕具とかその他もろもろ買う。この時代にはトラクターとかいう便利な乗り物はないので手で耕さなくてはならない。なので農耕スキルだ。
ふふっ。私の農場計画が進んでいくぞ……!
「ここら辺に立てて」
大工ギルドにお願いして建物を建ててもらう。
訪れてこの話をしたときに怪訝な顔されたけど……。
「卵が定期的にとれるようになるなら結構いい料理できそうだ。ピザなんかもできそうだな」
ただピザをやるには石窯がないといけないけどね。
「牛乳も定期的に取れるし満足満足。レパートリーが増えるねっ」
牛乳は第一層に売っておらず、というか、どこに売っているかわからないものだった。
乳牛は売っているけれど牛乳はない。不思議な世界だった。だがしかし、そんなことは考えている暇はない。
「クリームシチューとかあとパンケーキとか作れるな……。ゲームだから太る心配もないし本格的に食おう」
このゲームの味覚設定はオンにしている。
ポーションを飲むとサイダーのような味がするし、MPポーションはコーラに似たような感じの味がする。
味覚はオンにすると食べ物がまずかったらまずく感じるのでまずいものを食べないようにしないといけないのが難点だけれど、美味しいものはゲームで食べたいよね。
「あとは農園の名前だな……」
この畑の面積の規模だと農園が名乗れたはず。
○○ファームとか名づけるんだろう普通は。うーん。ミキファームというのも味気ない。
「ミッ〇ーファーム……はだめだ危ない」
名前、なににしよ。