クエスト達成
やっぱいるかぁ。
パルフェ侯爵の治める領地の街を奔走していた。至る所に兵士がいる。見つからないように神域を開きたいのだけれど兵士一人一人の距離が近いので少しでも油断すると見つかる可能性が大きい。いや、まだ町の中心部だからだろう。郊外に行くにつれ兵士は少なくなるんじゃないだろうか。
……あ、いや。簡単な方法あるわ。
「飛行!」
飛べばいいんです。人間は空を飛べませんからね。見つかったところで空まで追いつけるかっていう話。頭いい! いや、これ普通に単純な話だけど。
空中に浮かび、神域を発動。
中に入るとアーサーたちが座っていた。
「えらく落ち着くぜ……」
「ええ。なんだか神聖なものを感じます。神の力がこの空間にあるような……! ああ、素晴らしい……!」
「のどかだ。心地よい風だ」
「心地よい空間ですねアーサー様」
神域の空間にうっとりしているらしい。
まぁ、早めにクエスト達成させましょうで。
「ほら、いくよ」
第七層につながる神域の扉を開く。
神域はしまうこともできるけれど基本的に置きっぱなしだから誰かれ構わず利用はできる。が、少々厄介な位置に置いているので基本的誰も使えない。
だっていちいちしまうの面倒じゃん?
そして、第七層に到着した。
あとは王への報告のみ。
「ゴエモンと私は王のところにいくからアーサーたちは先戻っておいてよ」
王城に訪問すると兵士が案内する。
謁見の間に連れていかれた。王は玉座に座り、私たちの姿を見て笑顔になる。どうやら成功したんだとわかったようで表情がすこし明るくなっていた。
「王。頼まれていたもの、盗んできたぜ」
「よくやってくれた! さすが天下一の大泥棒だ!」
ゴエモンは嬉しそうに笑っている。
「報酬は孤児院に寄付……で本当に良いのだな?」
「それでいいでございます」
敬語が変だぞ。
だけどまぁ、これにて一件落着……なんだろうか。
《クエスト:大団円 をクリアしました》
《ゴエモンとの絆が深まりました》
《アーサーとの絆が深まりました》
《ランスロットとの絆が深まりました》
《グィネヴィアとの絆が深まりました》
《ゴエモンの技”千両大花火”が使用可能になります》
《アーサーの技”聖杯の雷”が使用可能になります》
《ランスロットの技”湖のワルツ”が使用可能になります》
《グィネヴィアの技”聖なる祈り”が使用可能になります》
……多い!
なるほど。仲間の技が使えるようになるのが報酬というわけか……。ゴエモンの技はなんだかかっこよさそうだ。大花火ということは爆発系だろうか。
うん、なかなかよさそうな技ばかり。これはいい報酬かもしれない。