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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第八層エリア 【優美なる妖精】
469/856

パルフェ侯爵家潜入 ①

 「なるほど。それで私か」


 私が呼んだのはアーサー。

 もとは一国を統べる王だった彼女なら、なんとか外交はできるんじゃないだろうかと思った。


 「礼儀作法は身に着けているが……。うまくやれるかどうかが心配だな」

 「アーサー様ならやれます」


 転移魔法屋の前で話している。

 隣の国はこのクエストでしか今はいけないと思う。多分。私たち行ったことないし。この国の領土が広いからね。仕方ないね。


 「すまねえな。手伝わせてよ。この天下一の大泥棒、ゴエモン様の正式な盗みだ。情報収集はすでに済ませている。盗んだのは”パルフェ侯爵家”という貴族。その機密文書は書斎の机の引き出しの中にあると調べがついてるぜ」

 「すごっ」


 昨日頼まれてだよ? 昨日の今日でそこまで調べたの? 隣の国なのに?

 どうやって調べたんだろう。多分先にいって情報を集めたんだろうけど……。情報収集能力が恐ろしいなゴエモン……。


 「アーサーがアドバンス王国の貴族として訪れてもらう。そして侍女としてついてきているミキがアーサーのそばにいろ。私はその間に抜け出して盗む」

 「……侍女ってなにすりゃいいの?」

 「……今から覚えろっていっても無理そうだな。ならば代役を立てるか……」

 「ならランスロット。グィネヴィアつれてきて」

 「かしこまりました」


 このクエスト限定で連れ歩く仲間が限定されない。

 それは助かった。二人までとなると難しいからね。ただ戦闘に参加できるのは二人までとなってはいるけれど。戦闘する機会はあるのだろうか……。


 そして、グィネヴィアが到着し、いよいよ隣国に転移することになった。


 「では、いくぞ」


 そして、私たちは転移した。







 隣国につき、観光する間もなく準備に取り掛かることになった。

 馬車を借りてきて円卓の紋章を張り付ける。これででっちあげの貴族馬車ができた。これにゴエモンが馬に乗り、アーサー、私、ランスロット、グィネヴィアが乗り込んで貴族の屋敷に盗みに入るらしい。

 あらかじめ手紙を送ってあるそうだ。訪問するという旨をつづった手紙を。


 で準備しているんだろう。


 パルフェ侯爵家の屋敷はでかかった。


 「お初にお目にかかります。アーサー様。当主のハイゼル・パルフェと申します」


 そして、案内された応接間。

 ソファに座り、アーサーは茶を飲んでいる。


 「美味しい。この茶はパルフェ領の特産品で?」

 「その通り。我が領の茶葉は王族にも好評をいただいている一品でございまして。手間暇をかけ作らさせていただいております」

 「いやはや。すごいですね。ぜひともお土産にもらっていってもよろしいですかね?」


 他愛もない話をし、とうとう動き出すみたいだ。

 

 「あの、アーサー様」

 「なんだ?」

 「馬車に私事の忘れ物をしてしまいまして……。恐縮なのですが取りに行かせてもらっても……」

  

 アーサーはゴエモンを睨む。

 そして、アーサーは立ち上がった。


 「勝手にしろ。忘れ物とは品格が損なわれるなまったく……」

 「はは。そう怒らないでよろしいかと」

 「いえ。こういうことはきっちり叱るのが私なのです。つけあがりますからな」


 はははとアーサーは笑う。

 ゴエモンと私はなんどもすいません、すいませんを連呼し、部屋を後にした。

 そして、物陰に隠れる。


 「さて、ここからが本番だぜ……」










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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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