王からの依頼
特殊クエストというのはなんだろう。
そう思いながらゴエモンの宝物庫にいると、突然コマチが上から降りてくる。コマチはたいへん慌てているようにみえた。
「ゴエモン! ミキ! たいへんたいへん!」
「うん?」
「アドバンス王が、いらっしゃった!」
……はい?
私たちは地上のゴエモンの家?にいくと、アドバンス王が勇者三人を連れて部屋を眺めている。じろりじろりと眺めて、私たちを発見して顔を明るくさせた。
「……何の用ですかィ。私をひっとらえにでもきたのかよ」
「そんなことはせんよ。……まぁ、やっていることは褒められたことではないがな。盗みに入るのは悪徳貴族だけのようだしそこらへんを一掃するのにも役立っておるから……。まぁ、黙認はしておくだけじゃ」
と、王は笑った。
ゴエモンはほっとしたのか壁にもたれかかり座る。目をつむり、そして見開いて王を見据えた。
「ありがとよ。王」
「じゃが、よい貴族の家に入ったとわかれば即刻断罪するからそれだけは心に置いておくように」
「へいへい」
一年で王としての威厳が増えたなー……。
「それで? 私のところ訪ねてきたからにはなにかあるんだろ? 茶くらいは出してやる」
「……王。よろしいのですか? こんな無礼なやつ……」
「構わぬさ。公ではないからの」
王はコマチが用意した座布団に座り、従者だと思われる人も隣に座る。
勇者は玄関に立っていた。護衛として連れてきたんだろう。王が護衛もなしに出られるとは思わないからな。
「……で? 誰のとこに盗みにいけばいいんだ?」
「隣国、シルバーベインじゃ」
「こりゃまた……。理由は?」
「実はワシとしたことがふがいなくスパイがおっての。機密の文書が盗まれてしもうた。だから取り返してほしい」
王はあたまを下げた。
やっぱりいい王様だよなぁ。人を思えるいい王様。裸の王様ではなく立派な王様だと思えるから好きな王様だ。
「わかった。報酬は出してくれるんだろうな?」
「出すとも」
「なら請け負った。報酬は全額孤児院に寄付してくれ。あと、確認だが私が盗むということは私の眼に触れるっていうことだ。それでも構わないのならやるぜ」
「わかった。構わない。ただ言いふらさないでほしいとだけは告げておくぞ」
「機密保持は泥棒の常識だぜ? ま、失敗しても恨むんじゃねえぞ。ほら、ミキ。いこうぜ」
と、ゴエモンは下駄をはいて私の腕を引っ張ってでていった。
ゴエモンの顔はとても晴れやかだった。楽しみにしてるんじゃないだろうか。いや、楽しみにしているなこの顔……。
「さて。隣国にいくわけだが……問題がある。機密を盗んで来いというのなら間違いなく階級が上の人間だ。わたしゃ見ての通り敬うのうの字もねえからよ。ミキの仲間で外交ができそうなやつを連れてきてくれ。護衛も頼むぜ」
「外交……。何とかしてみる」
それっぽい仲間には目星はある。
特殊クエスト発生条件:5の倍数のときに発動する。
(ただし大型アプデ後なのでアプデ前に5を超えていたら発動されない)