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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第八層エリア 【優美なる妖精】
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鬼の目にも涙 ③

 鬼は金棒を取りに来たのかどしどしと歩いてくる。

 でかい巨体がずんずんと歩いてくるとそれなりに振動があり、転びそうになる。ちょっと浮いてるのは正解かもしれない。


 そして、ゴエモンはというと、まだ倒れていた。


 「大丈夫?」

 「あ、ああ……。この程度の怪我なんともねえぜ……」


 だが見るからに痛そう。

 胸の辺りを押さえている。私は回復魔法を唱える。すると、体力が回復していった。


 「た、助かったぜ。ああいう攻撃してくるとは思わなくてよ。ミキがいなかったら死んでいた。感謝するぜ」

 「うん。それより鬼戻ってくるよ」


 鬼は金棒を手にしてまた、戻ってくる。

 一発一発が重い。受けただけで即死近い。いや、全員防御力が低いからなんだろうけど……。それでも受けるとやばいのは確か。

 どうすればいいんだろう……。


 「さて、餓鬼! 力比べと行こうぜ?」


 と、ゴエモンはハンマーを振り回す。

 鬼は立ち止まり、金棒を振り下ろしてきた。ガァン!という金属音を鳴らし、金棒が地面すれすれで止まる。ゴエモンが金棒を食い止めていた。

 顔は辛そうだ。いや、辛いんだろう。


 「ぐぎぎ……! 重いぜ……!」

 「今のうち!」


 私は精霊魔法の光を放つ。

 鬼に当たると、少しばかりダメージ量が多いような気がした。いや、確実に多い。もしかして弱点属性があるんだろうか。

 今まで気にしていなかったけれど、敵にも弱い弱点があり、それを突くとダメージ量があがる。


 光属性が弱点……か。


 「グォォ……」


 鬼はよろけ、頭を押さえる。

 そして、頭を振りまた、金棒を振り下ろしてきた……!


 「また力比べがしたいってぇのかぁ?! いいぜ! 受けてやる!」


 と、金棒が目の前に迫りくる。 

 だがしかし、攻撃は予想外のところからくるのだった。金棒ではなく、足がゴエモンのほうを向く。それにはゴエモンが対応できないのか、固まっていた。

 とっさには無理だ! 鬼賢さもあるのか!


 私はとりあえず転ばせようとするが、転ばせてもどちらにせよ当たる位置にいる。それがなによりまずかった。

 だから、私は考え方を変える。


 「ゴエモン! ごめん!」


 ゴエモンの下に深い落とし穴を作り、ゴエモンが落ちていった。

 鬼の攻撃はスカし、バランスを崩したのか、手をバタバタとして地面に倒れる。今だ! 私は魔法をとりあえず連射する。

 すると、鬼が起き上がる。

 

 「グァァァァァアアアアア!!!!!」


 と、突然大きな叫びをあげたかと思うと、鬼は地面に手を突く。

 そして、どんどんと肥大化していった。もともと一軒家くらいの大きさだった鬼。肥大化し、ビル三回くらいまでのデカさとなってしまったのだった。

 まじか……。どう倒せばいいんだ……?














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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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