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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第八層エリア 【優美なる妖精】
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鬼の目にも涙 ②

 鬼のところに向かう最中に、ゴエモンに話を聞いてみる。


 「コマチって戦えるの?」

 「戦えなくはねえな……。だが、あまり力にはならないと思うがな」


 コマチさんあれですからねえ。

 武器がないから多分魔法なんだろうけど……。どうやって戦うんです? それによってはちょっと戦わせたくないんだけど……。


 で、コマチさんはというと、花をつみ、うっとりとした目で眺めながらついてきている。華が好きなんだろうか。年相応の女の子っていうか……。いや、高校生の見た目で花が好きか……。私は好きじゃないけど……。どちらかというと花より団子系女子ですからね。


 「さァ構えろよ! 鬼の登場だぜ!」


 と、ゴエモンが後ろにしょっていたデカいハンマーを手に取る。私も身構えると、突然地響きが聞こえてくる。

 そして、何者かの叫び声が聞こえてきたかと思うと、空中からどしんと、鬼が降ってきた。


 名前は餓鬼という鬼。


 前の鬼とは比較にならないほどステータスが貧弱。いや、私はあの鬼と戦ったからなんだろうけど……。あれと比べるとやっぱり劣るよなぁ。あれが強すぎたもんなぁ……。

 だがしかし、油断ならない相手だ。鬼というのは攻撃がクッソ痛いらしいで有名だしね。小鬼はモンスターとして普通に出るからそれから推測しただけだけれど。


 「死ぬんじゃねェぞ!」

 「うふふ、頑張る」

 「不安だ……」


 そして、鬼との戦闘が始まった。


 鬼は手に持った金棒を大きく振り上げる。

 ゴエモンは、ハンマーをぶん回し、餓鬼のすねにぶち当てた。餓鬼はすねに手を当てて悶えている。やはり人間と同じでそこは痛いのか。

 弁慶の泣き所……。たしかにぶつけると痛い。


 「ガァァァァ!!」


 鬼は、勢いよく地面を叩きつけた。

 すると、地面が隆起してくる。突然せりあがってきた岩にゴエモンが打ち上げられた。


 「がっ……!」

 「グァァァァ!!」


 と、ゴエモンめがけて鬼が金棒を振り下ろそうとしていた。

 私はすかさず約束の地を鬼の地面に発動させ、バランスを崩させる。鬼は後ろにこけ、ゴエモンは落下していく。

 すると、コマチがゴエモンを受け止めた。


 「ナイスコマチ!」

 「サポートくらいしかできないんで……。が、頑張って!」


 コマチは可愛く応援してきた。

 ここは頑張らないといけないな。


 私はこけた鬼に魔法を放つ。

 体力が無駄に多い分、あまり削れていないようだった。攻撃面も、耐久力もあるのが鬼の特徴かっ。一番厄介じゃないか?


 鬼は起き上がり、そして、思いっきり金棒をぶん投げてきた。

 地面すれすれを飛んでくる金棒。狙いは……コマチだ。さっきので多分腹を立てたのかそれとも、コマチを潰せば……。そ、そうはさせない!

 私は、コマチを持ち上げる。


 人並みの体重があるので飛行スキルがあるとしても力のステータスは普通になったとはいえ重い……!


 「重い……」

 「……ダイエットしますぅ…」


 どうやら機嫌を損ねたみたいだ。

 だけど、ここで機嫌取りする余裕は、ないなぁ。









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