ギルド戦;先峰
パワフルというギルドとのギルド戦。
団体戦形式を選択した。
五対五の団体戦か、三対三を選ぶのだけれど、三対三にしておいた。先峰、中堅、大将。こちらは私がすべて務めることにした。
「まずは先峰か」
私と、相手のギルドの一人が前に出る。
受付にいた人だ。あのギルドでも結構強いらしい。どんくらいだろうか。
《勝負、開始!》
勝負の火蓋が切って落とされた。
「”サイレント”」
魔法を封じるスキルか。
状態異常に分類されるからこれも回復余裕です。
「”状態異常回復”」
「は?」
対戦相手の男はものすごく驚いていた。魔法を封じれば勝てるのだと思ったんだろうか。その気になれば魔法を使わなくても勝てる。
たとえばこういう風に。
「”約束の地”」
約束の地で相手の男の足もとに穴を作る。穴に吸い込まれるかのように落ち、落下ダメージが入っている。落下ダメージといっても微々たるものだけれど。
でも、こういう風にすることは可能だから。
「くそぅ……。なら、”つる縛り”」
と、足を植物のつるで固定される。
動けない。なるほど。動きを封じようということか。魔法はあまり得意な感じはしない。なら、霊体化。これで一方的に攻撃できるだろう。
霊体化をすばやく唱える。
「死ねえええ!」
と、剣が私をすり抜けた。
それを驚いたような目で見ている。物理攻撃は不可能になりました。これって何気に反則級の強さだよね……。
とりあえず、一戦。勝ち確定。
私は精霊魔法を放った――
勝負はあっという間にケリがついた。
まずはこちらの一勝。勝てるとは思っていなかったのかあちらのリーダーの表情は変わっていない。多分勝てる秘策は用意してあるんだろう。
警戒しておくにこしたことはない。いざとなったらあれがあるから。
「次は中堅か……」
中堅。
相手は知り合いの強い人に頼んだらしい。ここらで決着をつけようとでも言わんばかりに用意したらしいが、正直、どんな人が来ても勝てるとは思う。
攻略法はその場で考える。
私が前に出ると、中堅の人がインしたらしく、目の前に現れた。
すると、目の前に現れたのは、トロフィだった。