常世に向かう道中
私は今〆サバ、オオトウロウ、まぐろと一緒に第八層エリアにいます。
え? なんでか? わかるでしょ。常世だよ常世。地図を頼りに向かっているんだけど……正直不気味。妖精の森の奥地に存在するらしくデカい岩があるところにいけと記されている。
で、それを探索中なんだけれども……。
「ね、ねぇ本当幽霊出ないよね? もう薄暗いし出る雰囲気しかないんだけど……」
「大丈夫だって」
まぐろの手を握りながら進んでいた。
辺りは薄暗く、不気味な風が吹いている。今にも誰か出てきそうな……。
「バァ」
「ひぃやぁぁぁぁぁぁ!?」
私は叫んだ。
目の前には髪が長い女性がいる。思わずスっ転んでしまった。や、やめて怖いんだから! お化け! お化けいやあああああ!!
「……ふふ。私だよ。ミキ」
「……ミソギぃ……。やめてよぅ……」
脅かしてきたのはミソギだった。
なぜミソギがここにいるんだろうか。
「ククク……この森の幽霊を探していたらミキを見つけたのよ。おっかなびっくりで歩いているから脅かそうと思ってたわ……」
「や、やめてくれよ。俺もビビっちまったじゃねえか」
「ククク……」
ミソギは不気味に笑う。
「ミキはなにしているのかしら。ミキが好き好んでくる場所じゃないのに……」
「あー、言うか?」
とオオトウロウが許可を求めてくる。
別にばらしても構わない。私は頷いた。
「実は理想郷のありか? がわかった。常世っていう場所なんだが」
そういうと、ミソギはオオトウロウに近づいていく。
そして無言で手を握った。オオトウロウは顔を赤らめている。少し照れているのだろうか。
「詳しく」
「……常世に向かう道中だ」
「……常世。素晴らしい。ククク……マグメルが他の人にわたって嫌だったけれどまた幸運が訪れるとは……私もウンガイイ……クククククッ」
不気味。超不気味。ミソギとこの森は絶妙にマッチしてるんだよ雰囲気。
「常世なら私も連れてって。クク、足は引っ張らないわ……クククククッ」
ミソギが仲間になった。
でかい岩のところにつく。
「ミソギの趣味は何だ?」
「心霊スポット巡りにホラー映画鑑賞よ……。ククク」
というとオオトウロウは戦慄していた。
変わり者だよねミソギって……。正直私でも怖いもん。ちょっと不気味。本人に不気味だねって言うと褒めないでよって返ってくる。普通の女子高生なら悪口と捉えると思うんだけど……。
「きっと霊感強いだろ」
「クク、そうでもないわ……。私今まで幽霊見たことないもの」
え、意外……。
幽霊見そうな人だし霊媒師とかにいそうな雰囲気なんだけど……。
「学校でも七不思議試したのだけれど女の子の悲鳴が聞こえただけだったわ……。花子さんはいないのね……」
「それって花子さんのほうが逃げ出したんじゃ……」
まぐろの冷静なツッコミが飛ぶ。
「ほかにも私綺麗? っていってくる女の人のマスクを強引に剥がそうとしたら抵抗されて警察呼ばれたしこっくりさんは一度も成功したためしはないの」
「…………」
「それで友達に頼んでこっくりさんを憑依させたわ……。そしてその友達と会話すると普通の友達に戻ったのよ。ククク、なぜなのかしら……」
幽霊に避けられてるじゃねーか。
ミソギさんは作中最強(ある意味)
場合によるけどミキに勝てる才能?はある。