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Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第八層エリア 【優美なる妖精】
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常世を譲ります

 誰にあげようかなぁ。

 王たちにはなるべくあげないようにしないとね。自分のフレンド内の人に渡したいけど……。うーん。タイヘイさん、ユッケさん……。

 

 えい! 目を閉じて選んだフレンドに送ろう!


 この人!


 出したのは〆サバだった。

 うおざんまいの……。ちょうどいいかもね。早速ギルドに行くとしようかな。



 うおざんまいのギルドに向かう。

 ギルドホームは平屋だった。ただ、暖簾がかけられていて寿司屋という感じがする。中に入るとカウンター席があり、魚を入れるショーウインドーみたいなのがあって本当に寿司屋です。


 「へいらっしゃい」

 「あ、精霊の守護者のミキなんですけど、〆サバいます? オオトウロウでもいいんですが」

 「〆サバはあいにくクエストで出払っておりまして。オオトウロウならギルドリーダー室にいると思いますよ」

 「ありがとう」


 私はギルドリーダーの元に向かうことにした。

 オオトウロウがいるというギルドリーダーの部屋の目の前。こんこんと二回ノックするが反応はない。中で何か話しているようだった。

 思わず聞き耳を立ててしまう。


 『はぁ。厄介なギルドに目をつけられたもんだなぁ』

 『実力的には大したことないでしょ。ねちっこいだけで』

 『数も数だしなぁ。俺らのギルド少数だから数で押し切られる可能性があるし』

 『まずないと思うけど……。そんなに嫌なら戦わなければいいじゃん』

 『どうやるんだよ』

 『精霊の守護者に名前を貸してくれと頼むんだよ。あのギルド、誰も戦いを挑まないじゃん?』

 『そうだな。〆サバからアポを……』


 いや、いるけど……。

 まあいいや。もう一回ノックする。


 『どうぞ』

 

 と言われたので入ることにした。

 目の前にはオオトウロウさんともう一人いる。イケメンだなぁ……。


 「ミキさん?」

 「こんにちは。オオトウロウさん。それと……」

 「あ、僕かい? 僕はサブマスターのまぐろ。よろしくね」

 「あ、よろしく」


 握手を交わす。


 「それで、何か用があるのかい?」

 「あ、うん。これあげようかなって」

 「これ?」


 私は巻物を取り出す。


 「それは……スキル?」

 「スキルじゃないけど結構いいもの」

 「……胡散臭いな。疑うわけじゃないがほとんど知らない俺たちにいいものをあげようとかなにか企んでるんじゃないのか?」


 結構疑われますね。

 いや、まぁ、ただの気まぐれ程度なんだけど……。


 「いや、これ正直私いらなくて。で誰にあげようかなーと思ってフレンドを適当に選んだら〆サバだったんで〆サバのギルドの人にあげようかなと」

 「ふぅん……。で、何のスキル?」


 まぐろから聞かれる。

 

 「えっと、スキルじゃないんだよねこれ」


 私は一拍置いて。


 「理想郷にいける巻物っていったら、信じる?」


 そういうと二人は目を見開いてこちらを見た。

 いや、正直そこまで驚かれることなの?


 「……理想郷にいけるのを自ら手放すと言うのか?」

 「……うん。今私カナアンとジパング二つ持ってるし……それに、そこの理想郷いきたくない」


 私がそう言うとまぐろが巻物を手に取った。

 内容を確かめているらしく、巻物を開いてじろじろと見ている。


 「特殊エリア通行券、常世……」

 「常世? なんだそりゃ。本当に理想郷なのか?」

 「聞いたことあるけど理想郷?」

 「理想郷の名前にあるよ常世……。黄泉の国もそこにあるとされていて……正直、幽霊出そう……」

 「死者の国というからには出そうだが……。もしかして」


 オオトウロウが意外という顔をしている。

 まぐろもそれに気づいたのかオオトウロウと同じ顔をしていた。そうですよ。幽霊大嫌いなんですよ。幽霊みると戦えないんですよ私は。


 「幽霊、大嫌いで……。見たら戦えなくなります」

 「……第三層どうやって攻略したんだ」

 「意外な弱点……。幽霊が嫌だから譲るんですね。でも申し訳ないなぁ……」


 とまぐろが苦笑いを浮かべている。


 「一緒に行けばいいんじゃないか? 俺らついていくし」

 「……夜中一緒にトイレ行く感じかよ」

 「怖いんならそれも手だが?」


 と、ニヤニヤしながらそういう仲のよさそうな会話やめてください。

 正直夜中のトイレはまだちょっと怖いんです……。










常世がでてくるということは、あの人も出てくるということだ。(次回予告)

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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