vs巨人兵 ③
なぜガブリエルとウリエルがここまで来れたんだろう……。
この二人は若干戦力にかけているはず。ウリエルは戦えないってガブリエル自身言ってたし……。なにがあったんだろうか。
「やっとついたぁ! めっちゃくちゃ強すぎるっての! ポーションがもうないよ……」
と、先日聞いたことがある声。
と後ろに六人誰かいた。パーティー制限で七人までだし規定の人数というわけですか……。
「このダンジョンを踏破すればいいんだよな天使の嬢ちゃん」
「はい!」
「……だが先客がいるみたいだぜ?」
と私たちを指さすとウリエルとガブリエルはこちらを見てくる。
「サンダルフォンさん……。あなた命令無視してここに……」
「ウリエル。今私はサンダルフォンじゃなくてミキ」
「……は?」
ウリエル怖え!
その鋭い眼光で睨みつけないで怖いから……。後ろの皆さんはクエストで来たみたいだけど……。
「神の名を語るなど……」
「事情は説明するから! 今ボスと戦ってるから待って」
「ボス? きょ、巨人、ですか……」
ウリエルは巨人を見上げた。
というかこの人たちは私たちとパーティーを組んでいないので流れ弾が当たる可能性があるから注意しなくちゃ。
というか誰だよこの人たち。
「ミカエルにルシファー! ミカエルがいないと思ったら……!」
「私が呼び出したんでごめんなさい! ともかく今は倒してくれるのを待つしかありません!」
「えっと、皆さんも流れ弾にご注意ください。パーティー組んでないのでオズの魔法が間違ってこちらに飛んでくる可能性が……」
その時だった。
火の玉がこちらに飛んできて一人の男性プレイヤーに当たった。
「……このようなことになるので防御しておいてください」
「……わかった」
「これで、しまいだああああ!」
と、ミカエルが巨人兵を一閃。
巨人兵の体力が尽きていく。そして、私たちの視点がまっくらになった。目が覚めると巨人兵がいたところに寝転がっている。アリスたちと一緒に。
「戻った!」
「う~ん……」
あっちではサンダルフォンが目を覚ましていた。
ウリエルに正座させられている。ルシファーたちはこちらを見ていた。わかっている。私のせいでこうなったんだしウリエルに言わないといけないことは。
「ウリエル、サンダルフォンを責めないで。私が中に入ってたんだから……」
「本当なのですか?」
「本当ですよぅ! 私突然眠っちゃって気が付いたらここにいたんです!」
憑依される側はそういう認識らしい。
ヴァイツさんも隣できょろきょろと辺りを見回している。ヴァイツさんの送迎をルシファーに頼み、私たちは奥にある宝箱を目にした。
「……ミキさん! さっきぶりですね!」
「……〆サバ?」
〆サバくんだった。
察するにこの人たちはうおざんまいの人じゃないか?
「あなたが噂のミキさんですか。ギルドリーダーのオオトウロウです」
大トロ……。
「……その、なんだ。来るのが遅かったみたいだな」
「す、すいません」
「……いいってことよ。クエストの報酬はもらったし俺たちは帰りますね。それでは」
と手を振って別れたのだった。
後ろを見てみる。
宝箱が鎮座していた。……開封タイムといきますか。