vs巨人兵 ②
目の前の巨人兵を鑑定してみるとレベルは160であり、体力は十万を超えていた……。
タフだということがまずわかる。力が異様に強いが防御はあまりない。調整だろう。これで防御もあったらますます無理ゲーと化す。
「一人当たり三万は削らないといけない計算だね……」
「高火力なら任せなさい。このオズ様がとびきりの魔法を……」
「我一人で充分だ」
「喧嘩だぜええええ!」
と、まあそんな感じで戦闘に突入してしまったのだった。
オズは杖を構える。
「しょうがない。”パワーアップ”」
オズの支援魔法。
ミカエルとルシファーの力が上がっていた。ミカエルは「サンキュー!」といってまた攻撃し始める。バフの倍率って1.5倍らしいから……うん。結構いい削りだ。特に物理が一番高いミカエルは。ミカエルは結構削るけどルシファーはちょっと削りが悪い。
ステータスの差だね。ルシファーは高火力だけど結構バランスいい。ミカエルは物理特化。
「ふひっ、ふははは! やっぱ楽しいなぁ! 戦闘は! 生きるか死ぬかの二択の勝負! 命をかけなくちゃ勝負じゃないよなぁ!」
相変わらずの戦闘狂っぷりだ。
だけど、こういう火力が必要な相手にはホント役立つミカエルさん。そもそも実力がルシファーに並ぶというのがまずぶっ壊れなんだよなぁ……。
ミカエルは巨人兵の腕の攻撃を避けて腕を上っていく。そしてそのまま首筋を剣で切り裂いた。クリティカルヒットとなったのか一気に8分の1は削れたと思う。
「壊ス……。世界ヲ……」
…世界を壊す、かぁ。
アニメでもそういうセリフ多いよね。この世界を壊すとか……。でも、そのセリフ言ってる奴って大抵負けるんだよね。主人公でもない限り。
……このゲームにおいて主人公はプレイヤー。つまり、私も主人公なわけで。
相手負けフラグ立てた! やったぜ!
「世界を壊す前に私が巨人を壊す」
「……何言ってんのミキ」
「言ってみたかっただけ」
チリンいるの忘れてた。
こう白熱したバトルを見るのはいつ以来だろう。
私が参戦しないバトルを見るのはプリ〇ュア以来だなぁ。最近のプリ〇ュアってすごいよね。ぬいぐるみとかロボットですらなれるし最終的には男の子も……。
男のプリ〇ュアが好きな男の人ってホモでしょ。可愛ければいいのか? 私はあいにくBLはそこまで好きじゃないし、むしろ苦手なんです。
いや、私もこういう年頃だしえっちぃことは考えるよ? そりゃ高校生だしね? でも流石にBLはダメ。怒られると思うけど腐らないよ私。
とまぁ私の話はおいておこう。
白熱した戦いだ。
「さぁ解説のヴァイツさん。今の状況は……」
「ミキ、すごいノリノリだね……」
「……だって結構面白いし」
オズの超火力魔法が放たれてルシファーのあの奥義がまたみられて……それで今やっと体力を半分削り切った状態だった。
巨人の攻撃パターンも変化していた。
素早さが上がってしまったのだった。
本気を出したようで……。
「そうこなくっちゃあなあ!」
と、ミカエルがますます元気になっていた。
その時だった。
「ついた……! ら、ラファエルさんを返しなさい!」
「つきましたぁ……」
と、ウリエルと、ガブリエルの声がした。
先に書いてた内容が消えてしまって新たに書き直した……。