アバター切り替え:サンダルフォン
一日が経過した。
何事もなく終わる。とは思わないぞ。チリンが不思議の国から出てきて背を伸ばす。どうやら一人快適に過ごしていたようで楽しそうな笑顔だった。
私も防衛にしてはMPの消費も少なくすんだからいいが、ここで油断はしない。
「ふーっ。終わったー! これが終わったらレベル上げるんだ!」
あ、フラグ……。
すると、それは突然起きた。
私たちが立っている地面に突如亀裂が入っていく。そして、その亀裂は大きくなっていって穴のような大きさになっていった。
闇のように暗い穴に私たちはなすすべもなく吸い込まれていった。飛行スキルも無理でした……。
私が目を覚ますと隣には誰もいない。
どうやら分かれてしまったらしい。まぁ見つけ出すけど……。まず、ここどこだ? 暗い闇の中とい宇感じなんだけれど……。
……いや、何かおかしい。
なにか似ている状態になったことがある気がする。
今の私の体を鑑定してみようか。
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天使サンダルフォン:上級天使であり執行人
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やっぱり。
これはあの時と同じだ。第三層のボス。絵に封印したやつ。あれと同じ現象が起きている。これからわかることは私のアバターは今現在使用不可能ということだ。
なので天使サンダルフォンになった……と。
辺りを見回してみると天界だった。
「サンダルフォンさーん! 元気してますかー?」
「が、ガブリエル……」
「いやぁ、ミカエルさんの相手してくださいよぅ。私じゃ実力不足です……」
「え、いや」
私武術できない……。
「ごめんガブリエル。今は無理なんだ。ちょっと地上に降りてくる」
「え、許可なしに地上には……サンダルフォンさーん!? し、仕方ないですね! 私もついていきましょう!」
と、ガブリエルが翼を広げてついてくる。
私が目指すのはあの亀裂。あの穴だ。チリン達は依り代あるんだろうか。それはわからないけどだけどあそこを目指すのみ!
ただ、戦力がなぁ。サンダルフォンのステータスとか一切見てなかったし……。
いけるか……?
「ガブリエル。ルシファーってどこにいる?」
「ルシファーさんですか? うーん。地上にいます!」
「そんな曖昧模糊な答えいらない……」
「冗談ですよ。ワノ国にいますね」
よし。ルシファーと合流し事情を説明してあそこに行くとしよう。
「ガブリエルはミカエル呼んできて。戦力欲しい」
「かしこまりました! では戦力にならなさそうなので私は天界に戻っておりますね!」
「ごめんね」
私は大きな翼をはためかせ第五層エリアまで突っ切っていった。