妖精の国
さぁ、出遅れた新エリアだ!
時空の塔イベントを終えてそのままソゥ様と新エリアに向かっていた。新エリアは花畑。うん? と思ったけれど、国はあった。
”妖精の国”
中央にはデカいヒマワリが咲いていて、その周囲に妖精が暮らしている。プギーのためのエリアだろう。第八層エリアは妖精の国というこでした。
ドロシーは妖精と戯れている。
「なんとも幻想的じゃのぅ。妖精なぞファンタジーだと思っておったが……」
小人が空を飛び、アリスの周りを競争するかのように自由に飛んでいる。
無邪気だ。
「妖精ってかわいいね」
ソゥ様と妖精似合う~!
ソゥ様が指を差し出すとそこに座る妖精。華に華を添えるともう可愛さが限界突破の有頂天。何言ってるんだ私は!
スクショスクショスクショ! この幻想的なソゥ様の姿を写真に収めてチリンとチィに自慢してやる!
「なんていうか、カメラマンになってるね。ポーズでもとってあげようか」
「お願いします!」
「ふふ、いいでしょう。インターネットには上げないでね。ミキちゃんたちだけで楽しむようにだからね」
「了解です!」
この可愛さ、美しさを独占できるのであげたりはしない!
ソゥ様の困ることは絶対にしないって誓っている。したら切腹するよ? 介錯はチィに頼むんだ。ハラキリしなければ詫びにはならないからね?
「うーん。妖精さん。私の肩に乗ってもらえるかな?」
「ふおおおお!!」
妖精がソゥ様のかたにのっかる。
そして、こちらを向いて微笑んだ。あ、尊い。これもう天国だ。またログアウトしてしまうところだった。落ち着け~、落ち着け私。ここでログアウトしたらソゥ様がモデルとなってくれている瞬間を無駄にするんだ。
「えーっと、こういうポーズはどうかな」
地面に寝転がり瞼を閉じていた。寝顔!
そのうえで妖精もぐっすり眠っている。くっ……! 可愛いかよ! もちろん撮るとも! ヘッドギアの容量が持てばいいけどな!
「次はこのポーズ」
妖精に角砂糖を上げている。
妖精ははむはむと微笑ましく食べていて、それを笑顔で見ているソゥ様……の写真。ああ、これもういいわ。私もう殺されてもいいわ。絶頂だし何をされても許せる気がする。
くぅ! 現実だったら鼻血でてるな! ゲームだから出てないけどな!
「結構とったんじゃない?」
「撮りました!」
「ふふ、ありがと。やっぱり撮られるのは悪くないね。ミキちゃんといると落ち着けるしそのお礼とでもしておこうかな。ありがとう。ミキちゃん」
そういってソゥ様は微笑んでくる。
私はログアウトさせられた。
死因:尊死