第二層エリア討論会 ②
「私が気になっている情報は街のことについてです」
あの最初の時の会話をみんなに話すことにした。
「最初NPCに話しかけると気になる情報が来ました。どうやら町の機械が動かなくなっているとのことです。まあ、それだけなんですけど……多分このことは何かに関係していると思います」
機械の町なのに機械が動かない。
あってはいけないだろう。機巧士の町というからには機械仕掛けであるべきだ。実際機械仕掛けで近代的なものも多いあの町で機械が動いていないというのはあからさまに変だと思う。
「…………」
みんな黙っちゃった?
「……それ絶対キークエストに関係ありますよね」
「まあ、あからさますぎますしありますよね」
「……一番重要な発見じゃないか。それは」
あ、や、やっぱそうなんだ。
「あともう一つ聞きたいんですけど潜水艦とかありますかね?」
「今聞くことか? まあ、潜水艦は未だに発見されていない。潜水スキルというものはあるが」
「潜水スキル?」
え、なんだそれ。そんなスキルあるの?
「潜水がしやすくなるスキルだな。酸素ゲージも減少がゆっくりになり深くまで潜れるようになる。それがどうした?」
「いや、ここに来る前に一つちょーっとだけ気になるところがあってそれが多分川の底にあると思うんでそれを探しに行きたいなーって」
「……この中で潜水スキル所持している方はミキさんにご協力をーーーーーー!」
とロトさんが大きな声で叫んだ。
え、いや、取得条件がわかれば私取得するよ?
「俺が持ってる。今行くか?」
「……行ってくるとしよう。行くメンバーはミキとブロッサムと俺が行ってくる。他のメンバーは討論していてくれ」
そういって先ほどのところに来た。
「あそこです。あの一点だけ綺麗になっているのがどうも不自然で。あそこを調べてください」
「わかった」そういうとブロッサムさんは潜っていった。
私たちは陸の上でブロッサムさんを待つ。待ったのは数分後。あがってきたブロッサムさんは片手に何か持っていた。
どうやらハンマーのようだ。
普通のハンマーっぽくはない。紙が貼り付いている。鑑定してみた。
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オイルハンマー
・使用するとオイルを除去できるハンマー。ただし触れている面でしか浄化はできず水の中だと触れている面一直線上でしか浄化は不可能
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これが原因か。つまりオイルが除去され続けていたからあそこだけ綺麗だったと。
「ふむ、オイルを除去できるということは機械が動かなくなった原因はこれで叩かれたから、だろうな。だとすると誰がやったかになるんだが……。ボス、ではないだろうな」
「ボスだとしてもこのハンマーを持てるということは人型。使用できるということはそれなりの知能もあるな。一度や二度なら偶然として処理は可能だが町の全機械に使用したとすると使用はできるほどの知能があり、これの効果も理解しているということだ」
「とりあえず衛兵のところに持っていくとしようか。なにかわかるかもしれないぞ」