ドロシーと本の世界 ①
ドロシーは私たちを家の中に入れてくれてお茶を出してくれた。
そして、この世界について聞く。オズが書いた本と言っていた。その本の中にこんな世界があって、脱出方法がわからない……となるとなぁ。
要するに脱出ゲームということか。
「出るために頑張るか」
「そうだね。でなくちゃ私たちここで過ごすしかないもんね」
ここで過ごすとなるとゲームオーバーみたいなもんだろうなぁ。
モンスターとかは出なさそうだし。となると、この農園になにか出るヒントがあるのかもしれない。ドロシーによるとこの農園から出ることは不可能と言っていたしね。
「ドロシー。土の中に何か埋まってたりしなかった?」
「なかったですよ。私が初めて来たときにいろいろと調べましたが手掛かりはゼロです」
一応調べなおしたということか。
「ふむ。調べ残しているところは本当にないのか?」
「多分……」
「それでは、あの燃えている暖炉の中とかは?」
「え、いや、火を消したらものすごく寒くなるし火をつける方法がないので調べておりませんが……」
絶対そこにあるだろ。
だがしかし、寒い、のか。どういう原理だ? 外は作物がぐんぐん伸びているのに。だけどたしかに少し寒いような気はしなくもない。
「この農園は場所によって四季が別れているんだと思うよ。ここは冬エリアでさっきの畑のところが夏エリアじゃないかな」
「なるほど。そういうことですね」
ソゥ様の考察が正しそうだ。
「ふむ、防寒対策はしておらんからのう。火は魔法で起こせるとはいえ寒さはどうにも」
「あ、私いいのある」
と取り出したのは一本の液体が入った瓶。
「錬金術で作って第六層エリアで使ってたんだけど余っちゃって。発熱ポーション」
「いいのあるではないか。それを飲めば寒くならぬだろう」
と、四本取り出して、一本ずつ飲む。
すると、暑い。一気に暑くなってきた。
「暖炉消して! 暑い!」
「わかりました! 消しますね!」
と暗くなる。
そうか。窓がないんだ。窓がない家に住んでいたのか。なら私は魔法で光の玉を出す。明かりがわりとして使う。
「ほら、調べられる。怪しいものはあるか?」
「ありました!」
ドロシーは薪を避けると下に会ったのはなにやら隠し扉。
地下に続いているようだった。梯子があり、それで降りるということになった。私が先頭を切っておりる。飛行スキルでゆっくりと下に進んでいく。梯子? いらない。
すると、水が溜まっているところについた。
膝までが水に浸かる。さて、謎解き第二章。第一章はあまりにも単純だし、ドロシーがここまで行けてないとなるとここは探索されていない。
見渡す限りなにもないんだよなぁ。
……気が遠くなる。