可愛いもの好きアリス
ウサギの国につくや否や、案の定反応はあった。
「ウサギの国……に、人の気配がするにゃ」
チェシャ猫がそういう。
そして、その気配の元に向かっていくチェシャ猫。やっぱり。思った通りだ。私の予想だとこの先にいるのは……。
「いたーーーー!」
「妾はこの国に住みたいのじゃ。わかるな?」
アリス。
そう。アリスインワンダーランドの主人公のアリス。ファンタジアといえるかは知らないけれどいるとは思っていた。チェシャ猫のおかげで。
チェシャ猫は鏡の国のアリスか不思議の国のアリスのどっちかの登場人物だ。登場動物だな。人じゃないし。だからアリスには目星をつけていたんだ。
「アリス!」
「む?」
私はアリスの名前を呼ぶとアリスは振り向く。
すると、アリスの視線はどんどんと下に行って……。
「……なんじゃおぬしら。妾に……妾に何の用じゃ」
「仲間になってほしい」
「仲間? はん抜かせ。妾がそう簡単に仲間になるなど……」
「お、おねーちゃん! だ、ダメですにゃ?」
こまちが縋りつき上目でお願いするとアリスは鼻血を噴き出していた。
「いいのじゃ」
……ちょろ。
アリスを仲間にするためにすることがわからないがたぶん魅力なんじゃないだろうか。
多分アリス、可愛いもの好きだろ。ウサギの国住むとか言ってるのウサギ可愛いからだよね。絶対そうだよね。で、今もチェシャ猫を撫でてるし。
「アリスさ、時空の旅人の称号持ってる?」
「む? 持っておるぞ。過去にしかいない可愛いものもあるしのう」
まじですか。
過去悪くないな。過去にしかいないということは絶滅したということなんだろうけど、会ってみたい。可愛いものは私も好きだからね。
ただ、色気より食い気のほうがあるのは否めないけど……。
「可愛いものと触れ合える幸せ。妾が仲間になるのは可愛いもののためじゃからな! 勘違いするなよ! ミキもチィも可愛いがチェシャ猫までとは」
私はソゥ様からもらった動物変身薬を飲む。
「キツネ」
「可愛いのじゃ!」
「え、み、ミキが動物に……。ゲームって進歩したんだ」
ふふふ、効果は三十分だ。
というか、普通に抱っこされてる。撫でられてるし。
「……たまにキツネになるのなら仲間になってもよい。もふもふで幸せ……」
「いいよ。交渉成立かな」
「ああ。妾はミキと共に……」
チィのおかげなんだけど……。チィに悪いな。
「チィ。提案だけどギルドに入る?」
「え? あ、うん。いいけどなんで急に」
「いや、こまちのおかげで仲間になったんだけどこまちはチィのものだからさ。横取りしたみたいで……。ギルドなら私の仲間貸したりしてるし借りてることにすればって」
「あー、そうなの? じゃあ入るよ。ミキが仲間にしてる人強そうだしレベル上げに借りるかもしれないけどいいかな」
「いいよ。グィネヴィアはおすすめしないからランスロットかな」
グィネヴィアは攻撃じゃなく回復系だしグィネヴィアしか仲間を連れないというのは不安がある。グィネヴィアを入れる場合はランスロットかアーサーを入れるのをお勧めする。
たしか今はジャンヌにルシファー貸しててハーメルンはエルルゥに貸してるかな。仲間を多く手にしてきてるしそろそろ仲間集めも自重しなくちゃ。
掲示板で”難攻不落のギルド”って言われてるしね。
仲間だけでも相当やばいからなぁ……。
「じゃあ加入してくる。申請はミキのギルドの受付でやればいいんでしょ?」
「そう」
「じゃあやってくるね」
と、チィは行くのだった。
さて、私はソゥ様と合流しなくちゃ。
英雄
・クー・フーリン
・アーサー
・ランスロット
・グィネヴィア
天使
・ルシファー
・ミカエル
・ガブリエル
・ラファエル
・ウリエル
悪魔
・ベルゼブブ
ファンタジア
・ハーメルン
・アリス
選り取り見取りすぎる。
こりゃ難攻不落って呼ばれますわ。