ブラックジャック
一千万の道のりはともかく長い。
二十万なんてまだ足元にも及ばない。いつ終わるかはわからない。ただ、ここらへんで一攫千金を狙いたいのは事実だ。
となると、ギャンブルに手を出すか?
幸い、賭博場……いわゆるカジノがあった。スロットとかはないが、あるのはポーカー、ブラックジャック、ちんちろりん。ただ子供でもできるようにルールは簡単に設定されていてそんな難しいルールがあるわけじゃない。
金を稼ぐのには利用するしかない。
私は、カジノへと足を踏み入れた。
カジノはドレスコードがあるらしく一定以上のレアリティがある装備じゃないと入れない。私はマーヤが以前プレゼントしてくれた精霊王のドレスで中に入る。
すると、目の前に三つの扉が開かれた。
看板には右から「ポーカー」「ブラックジャック」「ちんちろりん」と表記されている。
うーん。ちんちろりんはルール知らないしブラックジャックかポーカーとなるんだけど。うーん。ブラックジャック、かな。
21に近づければいいだけだし。
ブラックジャックのルームに入るとソゥ様がいた。
「あれ、ミキちゃん」
「ソゥ様?」
なんでここにいるんだろう。
「なんでここに?」
「うーん。一千万手に入れるにはギャンブルにも手を出すしかないかなーって。一刻も早くクリアするには少しリスクも負わないとって」
「私と同じですね」
私もソゥ様の隣の席に座る。
「簡単で21に近づければいいらしいよ。ただそれだけ」
「簡単で助かりますね。本来だったらもっとごちゃっとしたルールがありますし。スプリッターだのダブルダウンだの。頭がごちゃごちゃになりますね」
「わかるよ。さ、掛け金を設定しようか」
と、掛け金を設定する。
うーん。最初からぶっぱしていくのもいいけど計画性が……。ここは私の豪運にかけるか。これでもっていうか、私滅茶苦茶運がいいし。
「10万で」
「私は堅実に3万かな」
10万がきえていく。
カードが配られた。
ダイヤのエース。おお、次が10、J、Q、Kだったらいいぞ。ナチュラルブラックジャックだ。
私は机を軽くたたくと、カードが配られた。
「運がいい! ナチュラルブラックジャック!」
「おお、ディーラーは!?」
「ソゥ様。スタンドしないと」
「あ、そうだった」
机と平行に手を浮かべ横に振る。
ディーラーはアップカードは6と5。つまりナチュラルはないんだ。ホールカードがどうなるかによるんだけど……。10以上のものじゃなければ私たちには2.5倍のお金が入ってくる。
さぁ、どうだ?
ディーラーはホールカードをこちらに見せてきた――
数字は、9だった。
あっぶない! けど。
「勝ちぃ!」
2.5倍……だから二十五万。うわぁ、結構稼げるなぁ!
ブラックジャックそれほどやったことないんで間違えてるかもしれない。怖い。