時空の塔
また再度ログインすると目の前にソゥ様がいた。
「いきなりログアウトするから何事かと思ったよ。ミキちゃん」
「ご、ごめんなさい……」
「いいよ~。あ、そだ。新エリア。いった?」
「い、いえ」
昨日は隠しエリアで素材採取の巻だったしいけてないな。
カティには一番最初に私の武器を作ってほしいと頼んでおいたぐらいだろう。他は隠しエリアとカティ工房と往復していたくらいかな?
「私も実はないんだよね。いってみる?」
「いきましょう!」
新エリア、どういうところかな。
新エリアに続く道を歩くと、なにやらデカい塔みたいなのが現れた。
ほかに道はない…と思うしこれが新エリアにつながるんだろうか。とりあえず入ってみることにした。
「……ん?」
壁は時計のマーク。
様々な部屋に分かれている。
「なんだろこの部屋」
「なんでしょうか……」
この塔の名前は知らないけれど、なんかとても不思議な感覚がする。
チクタクと時計の進む音。壁の時計が回っているのも何か理由があるんだろう。ここの塔の名前は何だろうか。
「とりあえず部屋あるみたいだし入ってみようよ」
と提案されたので入ることにした。
すると、景色は変わる。時計の壁だったのがどこかの室内となった。そして、目の前にはピエロの仮面をかぶった人が座っている。
「ようこそ、”時空の塔”へ。お嬢様方」
時空の塔。この塔の名前らしい。
「私は時空の塔の主であり時空の旅人であるクロック。以後お見知りおきを……」
紳士的に礼をするクロック。
なんか胡散臭い男だ。いまいちつかめない。
「この塔は過去や未来へ行くことができますよ」
へぇ。過去や未来に、ねぇ。
「お嬢様方は旅をしてらっしゃるように見えます。ですが、なんと次の街に行くには過去から鍵を見つけてこなくてはなりません。実はこの塔の裏口の鍵を無くしてしまいまして。ぜひ旅の冒険者であるあなた方に見つけてもらいたいのです」
「裏口から次の街にいけるの?」
「安全に行けますよ」
ということは安全じゃないということか。
ここはいわゆる次のエリアの前のエリアって感じか。次のエリアは別にあるということだ。うーん。危険なほうをとるよりこっちのほうがいいかもしれないな。
「わかりました。過去に戻って見つけてくればいいんですね?」
「お願いするよ。裏口の鍵を無くして困っていたんだ。私もまた探しに向かうので……。ああ、そういえば称号をあげよう。これがないと時空移動は不可能だ」
《称号:時空の旅人 を取得しました》
「時空の移動の仕方はここをでてこの部屋の隣に二つの部屋がある。右が未来で左が過去に進むものだ。過去につながるドアは君たちならでは入りできるようにしておく。では、頼んだ」
と、去っていってしまった。
「変な人だったね。裏口の鍵を探しに行かなきゃ」
「……そう、ですね」
《クエスト:時空の塔の鍵 を受けました》