国盗り合戦 ①
ロッソ王国が間者を送ったと王に報告してみた。
《ワールドクエスト:勇気ならざる蛮勇の勇者 をクリアしました》
《ワールドイベント:国盗り合戦 を受けました》
……まじですか。
クエストクリアして次のクエスト……。いや、イベント。ワールドイベント……。以前もなかったか? あったような気がするけど。
まあいいや。
「ロッソ王国の壊滅が今回の達成条件……。なかなかハードだな。国を一つ潰すことって大胆すぎる」
今回はあれだ。
国と国の戦争となったからね。あっちがやってきたからこっちもやり返そうとなっているということ、軍勢がこちらに攻めてくる気でいることがわかっている。
国面積が広いこの国での防衛線。プレイヤーが全員でこの国を守るらしい。
とりあえずギルドに戻って……。
その時だった。
城の外から爆音が響く。
「きやがったのか!」
爆発し燃えている。
戦争……ねぇ。相手方はやる気満々だな。私もやるしかないんだろう。もはや軍勢が攻めてきたわけだしな。
こりゃ第一層エリアに戻っている暇はない。第一層エリアからここまでがこの国らしいし第一層エリアはチリン達がいるだろうし大丈夫だろう。
それに運がいいらしい。
王がそれぞれのエリアに分散している。フレンドメッセージでどこにいるかだけ報告をさせて今全員分届いた。
ニル、マシュマロは第一層エリア。
マーヤ、トロフィが第二層エリア。
ミソギが第三層エリア。
ロト、プギーが第四層エリア。
マグダッドが第五層エリア。
ガガトツが第六層エリア。
そして私が第七層エリア。誰か忘れてるような気もしなくはないけど……。まあ王がいることによって戦力は上がるだろうし大丈夫だろうな。
どのエリアにも軍勢は攻めてきているらしい。ただ、一番王都がひどい。どう見たって戦力がありすぎるだろ……と突っ込む。まあ、王は王都にいるからな。仕方ないとはいえ……。
「ルシファー。いける?」
「人間如き荷は遅れは取りません」
「ハーメルンは?」
「いけますよ。笛も大丈夫です」
「おっけい。ならやるか」
まずは戦場を大きく変えようか。
約束の地を発動。地面が大きくへこんだりでっぱったりする。相手方の兵士を戸惑わせてやろう。さっきドラゴンとやったばかりだぞ。人間なんて楽すぎね?
ドラゴンと比べりゃこの程度! 数の暴力で押し切れる私だと思うな! まあ? 数の暴力には弱い私ですけどね!
「突貫! ルシファー、ハーメルン! いのちだいじに! ガンガンいこうぜ!」
「かしこまりました」
「わかったよ」
まさかにワールドイベント直結クエスト