勇気ならざる蛮勇の勇者 ⑥
珍しい組み合わせだし、なんでここにいるんだという疑問もあるけど助けは有難い!
「ちぃ。邪魔が……」
「……またなんかクエストなんだ。で、敵はあの男? ミキが捕らえられそうになるなんて珍しいね」
と、マーヤはナイフを構える。
そして、いともたやすく男の首を掻っ切った。男はその場に倒れてしまう。HPが一瞬でゼロになったのを見ると死んだんじゃないだろうか。
た、躊躇いないな……。
「……で、男は終わりだけどこの兵士? 相手するの?」
「う、うん」
「わかった」
マーヤはナイフを片手に駆け出していった。
ジャンヌは堅実に戦っている。盾で守りながら攻撃という普通の役割をこなしていた。私も立ち上がり、精霊魔法を放つ。
そして、勝負は、一瞬で終わった。
「……終わりか」
ルシファーがそうつぶやいた。
兵士は倒れており誰も起き上がる気配はない。どうやらこれで終わりの用だった。兵士としては些か数が多い気もする。きっと他国の……。
ったく、警備もきちんとしなさいな。
「蘇生っと」
マーヤが倒した男に蘇生魔法をかける。男は目を覚ました。
「お目覚めかい」
「は? え、わ、私は……」
どうやら戸惑っているようだ。
蘇生魔法、効くNPCでよかった。この人を殺したら情報とかはいてもらえなくなるしね。それが一番きつい。なんで蘇生出来て安心。
「単刀直入に聞くけど、どこの国の?」
「……答えるものか」
「答えないつもりなら……」
軽く脅しをかけようと思う。
私はそれができる術は悲しいことにあるし、称号もラスボスだから極悪非道なことをしてやろうじゃないか。ラスボスだし!
「拷問でもするか」
「……なにするつもりだ」
「殺して生き返らせて殺して……。何度も死んでもらう」
「わ、わかった! 話す! だからそれだけは!」
だよね。
死んで生き返って死ぬの繰り返しは精神が相当おかしくなるだろうな。死なせてもらえないしね。この脅しは案外効くんじゃないだろうか。
「私がいた国はロッソだ! 隣の国のだ!」
「おっけい」
ロッソ。
ふむ、どこにあるんだろう。王様に聞けば……。あ、いや、こういう時にアルテナ様とか邪神ちゃんに聞けばいいんだろう。
神様だからそれくらい知ってるだろうしね。邪神ちゃんなんか特に知ってそうだ内情とか。
「ロッソの王に勇者を一人攫ってこい、と! 一人だけでいいから、他の勇者は邪魔してくるだろうし殺せ! と命令を受けて!」
必死に情報を吐いてくれる。どこまで信用していいのかはわからないがとりあえず全面的に信じてみる。
……これも私たちが攻略するのか。どうやって攻略していいのかわかんないけど。
明日一話くらいしか投稿できませんかも!
友達の家泊まるので!!