表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Arcadia Online  作者: 鳩胸 ぽっぽ
第七層エリア 【異界から来たるは勇ましき者】
397/856

勇気ならざる蛮勇の勇者 ⑤

 倒したというか、宥めて違う場所に行ったんだけど……これではクリアにならないのか?

 アナウンスはない。まぁ、まずはユウキに報告でもするか。それともユウキに報告するまでがクエストだったりするのだろうか……。

 まあどちらにせよ行くか……。


 「……ん、そういやあの男の子の勇者は?」

 「ん? ああ、街に置いてきましたが……」


 ……もしかしてクエストクリアの達成方法はあの男の子の勇者が王都に無事帰ること? それも気を失ってないで……。

 うーん。わからん。ユウキに差し出せば解決するかも……。


 「んじゃ、あのユウキのところいきますか……」






 王城の庭で待つと言っていたので王都の庭に男の子の勇者を置いてユウキのもとにむかう。笑顔で出迎えてくれた。

 

 「ありがとう! ほんとこのバカ救いようがないでしょ? 手を煩わせてごめんね」

 「いやいや」


 これでもならないか。

 うーん。達成条件がいまいちわからないぞ。やはり目が覚めていないとダメなんだろうか。それとも、もう一人いる、とか?

 おいおい。それはよしてくれよ。戦いたくないんだけどもう。


 「勇者様。ここに……」


 と執事の人がこちらを向く。

 そして、ユウキは固まっていた。何かまずいことでも……。


 「し、侵入者だ! ひっとらえろ!」


 ……はい?

 なんだか知らないけれど突然ひっとらえられてしまった。兵士に腕を掴まれて身動きができない。ルシファーは殺さないように剣で応戦している。


 「ち、違う……! この人はバカを送りに来てくれただけで……!」


 ユウキが叫んでいる。

 なんだよこの仕打ちは! なんでいきなりひっとらえられなくちゃならないんだよ! っていうか、なんだよこの紋章! この王国の紋章じゃない!

 ……もしかして、他国の!?


 まじかよ!


 「ほら、勇者様。賊は……」


 おかしい。

 あの男おかしい! 絶対裏で何かある! くっそ! 力のステータスが負けているせいか振りほどけない! というか、捕まるのがクエストなのか?

 ……だとしてもそうやすやすと捕まえられてたまるものか! 


 「”約束の地”!」


 地面をゆがめ足場を無くす。兵士たちが倒れる。私も倒れてしまう。こいつ離さねえのかよ!!


 「ユウキ! そいつと話しちゃだめだ! そいつは他国の……!」

 「うるさい賊ですね。勇者様は先へ……」


 とユウキを無理やり先に行かせて、男はこちらに近づいてきた。


 「……どうして私が他国の間者だと?」

 「……こいつらの兵士のタトゥーがこの国の紋章じゃないからな! 偽装はきちんとやりなさい!」

 「そんな細かなところまで……。ふぅ。君は……知りすぎた」


 と、目の前の男はナイフを取り出す。

 その瞬間、ナイフがはじかれたのだった。ルシファーは兵士たちに精いっぱいでこのようなことが出来そうな人は他に……。


 いた。


 「何捕まってるの。またなにをやらかしたのさ」

 「主を守りするのが騎士の役目! いざ、ジャンヌ、参らん!」


 マーヤと、ジャンヌだった。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ