ハーメルンの笛吹き男 ②
いつもは嘘でしたーとかなんとか間に合うぱてぃーんだけどほんとに投稿できなかった。
ハーメルンは笛を腰に下げ、その場に座った。
「僕のお願いはただ一つ。僕の復讐に手を貸してほしいってこと」
……復讐?
「まぁ、普通は嫌だよね。聞いてくれなくてもいいんだけど、僕はある町に復讐がしたい。ただそれは僕一人ではできなさそうってことだから頼んでるんだ」
「……なにがあったの?」
「……裏切られたんだよ。村のやつ……町の奴に」
ハーメルンが話したのはある町のことだった。
ハーメルンは貧しかった村の出。小さいころから笛が好きであり吹いてばかりいた。けれどある日村長が笛を取り上げ壊してしまった。
ハーメルンは思わず手を出してしまって村の檻に投獄。少し閉じ込められたらしい。
その時は反省して新たな笛を自分で作ったという。が、それも没収されてしまった。今度は自分の思い通り動いてくれたら笛を返してくれるっていった。
ハーメルンは村長のために笛を吹き続けて、街をつくった。人を呼び寄せる笛の音色を利用し村長は町長になったのだった。だが、それだけでは終わらない。
「ハーメルンは用済みだ! これからは俺だけが街の魅力を伝えていく!」
といって追い返された。
愛用の笛を返してもらうこともなく。ただただ利用されただけということに気が付いて復讐を誓った……らしい。
「街の名前はバッカス。あのくそ野郎の名前だよ」
ハーメルンは怒りに燃えていた。
まぁ、私もわからなくはない。村…というものにいい記憶がないから。ハクビだって村の人たちに襲われていたし。
「バッカスに復讐をするの? 具体的にどうしようか」
「……僕はあいつをこらしめればそれでいい。町が転覆するようなことをするようでも構わないよ」
いや、街転覆まではさすがにまずいだろ。
私に考えはある。というか、復讐をするなら一番絶望する方法を取ればいい。相手が大事にしているものを、壊す、とかね。
亡くなった家族の形見とか家とか家族とか。そういうものを壊せばいい。
「わかった。乗るよ。ただ、一般人には被害を加えないようにするのが条件で」
「ありがとう」
ハーメルンと固い握手をした。
それを見ているチリン達ははぁとため息をついていた。
「マイナスクエストってやつだこれ」
「……なにそれ」
「達成したらカルマ値がたまるの。カルマ値が或程度溜まるとステータスが低下する」
なるほど。
マイナスクエストってあるのは初めてだよ。たぶん受けちゃダメってやつなんだろうけど、何か報酬もある。受ける前提で行こうかな。カルマ値とかは気にせずに。
「まぁ、受けるんならいいけどさ。私も手伝うよ」