ラプラスの悪魔 ①
映画を見終わった後は昼食を取り、午後からは私の家でゲームすることにした。
二人ともヘッドギアをもってきていて今私の部屋で寝そべっている。私の家に真野ちゃんたちが来たことはちょっとうれしい。
まあいい。ログイン!
「やっぱみんなでゲームするのもいいね!」
ログインしてすぐに真野ちゃんがそういった。
イベントも終わって普段の日常に戻った。
「で、ちょっと頼みがあるんだけど……」
いきなり真野ちゃんが切り出す。
頼み? 頼みってなんだろうか。
「この前結構やばそうなクエストを受けて、それを手伝ってほしいんだよね」
クエスト?
真野ちゃんに詳しく聞いてみる。クエスト名は”ラプラスの悪魔”というもの。なに、未来予知でもするの? ラプラスの悪魔って。
「ラプラスの悪魔ってなんだそれ。ミキ知ってる?」
「……まぁ、物理学で未来予知ができる超人的知性のことじゃなかったっけ」
「未来予知? それってできるの?」
「なんかの本で読んだけど一応はできるらしい。すべての運動量とかがわかれば……。ただ、それを把握し解析するのは難しくて1秒先の未来を見るのに1秒以上かかったら意味がないんだけど、ラプラスの悪魔は一瞬で把握して解析するんだよ」
「物知りだね」
「それほどでも」
昔ちょっと興味あって調べました。
「クエスト内容はどんな感じ?」
「えっと、ラプラスと呼ばれた学者が悪魔を召還した……。その悪魔は未来が見えているのかとても倒せそうになくて倒してほしいっていう……。今は王国の図書館にいるっていうからさ」
「いい報酬もらえると思うから受けたけど私じゃ無理そうだからミキたちに手伝ってもらいたいなーって。ダメ、かな?」
「いいよ! 全然オッケー!」
真野ちゃんのためならやりますよ!
ラプラスの悪魔。未来予知してくるってことは攻撃もすぐ読んで躱すか反撃するはず。それなりの作戦は立てておくべきかな。
倒し方としては未来を見たとしても躱せないような攻撃とかをするんだろうけど難しいよなー。
「よし、じゃあ倒しにいこう! ……その前に前準備だけしておこう」
準備は大事だからね。
うーん。一応ポーションでも買っておこうかな。いざというときのために。回復する手段は複数あったほうがいいよね。魔法を封じられたら回復する手段がないし。
そもそも魔法封じられたら私終わるんだよな。これ終わったら剣術スキルでも取得しようかな。槍もいいけど……。個人的には槍……。剣も捨てがたいけどね。
「ミキ、持っていったほうがいいと思うものわかる?」
「んー、ポーション」
「わかった」
多分それ以外いらないんじゃないかな。状態異常が怖いけどいざとなったら私がやるしね。